目覚めよ! (一)安倍元総理暗殺事件

目覚めよ!

(一)安倍元総理暗殺事件

2022年7月8日、安倍晋三元総理が参議院選挙の遊説先、奈良市での街頭演説中に銃撃され死亡しました。
第一報では犯人は元海上自衛隊員の山上徹也容疑者で、「元総理の政治信条への恨みではない」、「特定の宗教団体に恨みがあり、その宗教団体と関係がある安倍元総理を狙った」という趣旨の供述をしているということでした。

この時点で安倍元総理が何故暗殺されたのかを考えると、特定の宗教団体に対する恨みと安倍元総理とを繋げるには無理がありすぎ、犯人は頭がいかれているか、ケネディ大統領暗殺時のオズワルドのような陰謀論が生まれるようになりました。

その後山上容疑者の供述の続報が届くたびごとに、事の詳細が少しづつわかってきました。

・その特定の宗教団体というのは旧統一教会であり、山上容疑者の母は旧統一教会に多額の献金をし、20年前の2002年に経済が破綻してしまい、今も月に一度くらい家庭連合の集まりに参加している。(家庭連合会見)
・その献金額は1億円以上にものぼる。
・山上容疑者の父は、1984年に自殺しており、兄は小児ガンを患い抗がん剤投与で右目を失明し、脳にも転移した。
・山上容疑者の母は、家族の不幸の故に1991年ごろから統一教会の信仰を持つようになった。
・1億円献金のうちの5000万円は父の保険金。『先祖解怨式』でも複数回参加し献金。実父が購入した東大阪市の土地を勝手に売却。自宅の売却金で2000万円、建設会社の事務所の売却金で2000万円。
・教会に熱心な母親の故に貧困生活に陥り、叔父からの支援に頼る生活をしていた。
・自衛隊入隊後2005年に山上容疑者は自殺未遂。(障害を持つ兄に)保険金を残したかったようだ。
・叔父が統一教会側に献金返金要求。5000万円の解決金支払いで示談。
・母は取り戻した解決金を再び統一教会に献金。
・2015年には兄が自殺。(以上文春より)
・2019年愛知県で開催された統一教会の「名古屋4万名大会」で、韓鶴子総裁を火炎瓶による襲撃の計画を謀るも、会場に入ることができずに断念。
・2021年の天宙平和連合(UPF)のオンライン集会で、トランプ前米大統領とともに安倍元総理がビデオメッセージ。
 これにより山上容疑者は安倍元総理を絶対に殺さなければいけないと思い込むようになる。

山上容疑者の母が自己破産をした2002年から、20年後の2022年に安倍元総理の暗殺に至る、常識的に見て繋がらないと思っていた空白の20年間も、続報を知ることで継続的に恨みを抱いた理由が鮮明になってきました。
安倍元総理に対して恨みを抱くことも、さらにはその恨みで銃殺を実行することも、当然認められることでも許されることでもありませんが、山上容疑者の壮絶な半生に対しては多くの同情も寄せられるようになりました。

1、現代社会が生んだ「ヘイトクライム」

安倍元総理の暗殺直後に巻き起こったのが、参議院選挙の真っ最中ということもあり、「暴力をもって言論を弾圧する民主主義への挑戦」という言葉でした。
しかし山上容疑者の供述が少しづつ明らかになるにつれ、「元総理の政治信条への恨み」ではなく、特定の宗教団体への恨みであるということが明らかとなり、その特定の宗教とは旧統一教会であるということがマスコミでも報道されるようになりました。
山上容疑者の壮絶な半生が明らかになることによって、旧統一教会の非道ぶりも明らかとなってきましたが、どれほど旧統一教会が非道であったとしても、だからと言って安倍元総理が殺されなければいけなかったのかに対する根本的解明はほとんどなされていません。

しかしそんな中で的を得た論説も登場するようになりました。
『宗教団体を恨んで安倍氏狙う不条理…犯人は「ヘイトクライム」思考の典型だ』

この記事にもあるように、「ヘイトクライム」思考には以下のような思考パターンが共通しているといいます。
(1)自分は虐げられた「被害者」だと思っている
(2)自分を直接的に虐げた相手には何もアクションは起こさない
(3)そのかわり、ネットやSNSで「特権」を持つとされる人・組織を憎悪する
このようにヘイトクライムに走る人は、ネットやSNSの世界で発信され、多くの人たちが憎悪を向けている「わかりやすいターゲット」を目の敵にするといいます。

安倍元総理を殺害しても、「世界平和統一家庭連合」への恨みが晴らせるわけではないのは明らかです。
山上容疑者は、安倍元総理を殺害することによって、非難の矛先を家庭連合に向けることも目的としていたらしいのですが、それにしても論理に飛躍がありすぎます。
家庭連合に恨みを晴らしたいなら、韓鶴子総裁は難しかったとしても、もっと直接的に徳野前会長とか、田中教会長とか、小山田先生とかをターゲットにした方が、直接的に恨みを晴らし易かったはずです。それにもかかわらず、何故安倍元総理でなければいけなかったのかを考えると、日本社会が恨みを持っている、さらには韓国や中国とかからも攻撃の対象となっている安倍元総理ならば、殺しても構わないという論理になってしまったのではないかと考えられます。
実際安倍元総理の暗殺に関して、中国と韓国のネット世論では、山上容疑者を英雄視する、心ないコメントが殺到しているとのことです。

中国SNS「彼は優れた政治家」投稿は攻撃され削除…安倍元首相の銃殺事件に心ないコメントが殺到中

安倍元首相暗殺について韓国ネット上には罵詈雑言の数々 犯人を英雄視する人たち

もしこの推論が正しいのなら、安倍元首相暗殺の直接的原因を作ったのは、安倍元総理を誹謗中傷するマスコミ・リベラル文化人をはじめとする、多くの大衆であると言えるのではないでしょうか。
彼ら日本の弱体化を願う人々にとっては、日本の存在価値を高める安倍元総理は天敵とも言うべき存在でしたから、安倍元総理をなんとかして否定したいと、引きずりおろすネタが無かったら、ネタを捏造してでもその存在を否定したいとして、首相在任期間中は徹底的に攻撃し続けました。
最も極端な発言をしたのが北海道大学名誉教授であり、法政大学法学部教授の山口二郎教授が平成27年8月30日に国会前大集会にて行った「お前は人間じゃない、叩っ切ってやる!」発言です。

過去に安倍氏を「たたき斬ってやる!」 山口二郎氏らに非難殺到

北海道大学名誉教授であり、法政大学法学部教授という肩書を持つ山口二郎教授の信奉者がいたなら、山口教授の発言を受け、安倍元総理の命を奪おうとする者が出てきてもおかしくはないのではないでしょうか。
そこまで極端に走らなかったとしても、モリカケ・桜問題等で、連日安倍元総理を追求する報道がなされれば、安倍元総理ほど悪い政治家はいない、中国・韓国の反日感情も安倍元総理のせいだとして、安倍元総理は罰せられなければいけないと極端な行動に走る人が生まれてもおかしくない土壌が、日本に醸成されていたのは間違いありません。
旧統一教会はもちろん問題ですが、何故暗殺の対象が安倍元総理となってしまったのかについて、もっと本質的な分析がなされなければ、「ヘイトクライム」を生んでしまう日本社会は、今後もっと病んでいってしまうのではないでしょうか。

安倍元総理の死に関しては彼らリベラル文化人は、表面上は哀悼の意を述べてはいますが、いざ安倍元総理を国葬でお送りすると決まると、安倍元総理の国葬に対して一斉に批難が始まりました。

安倍元首相の「国葬」に野党から反対相次ぐ

辻元清美氏「安倍元総理の『国葬』に反対します」 悼む気持ちあるが、判断基準が不透明…岸田首相に再考促す

安倍元首相の偉大さは、日本国内でよりも海外での評価に顕著に表れています。

日本では報道されない安倍元首相のこれほどまでの「海外での影響力」

安倍元首相死去 各国の反応

これほどの政治家を失ったのは、間違いなく日本にとっての大きな損失であり、今後日本がどうなるのか本当に心配に耐えません。
突然夫をこのような形で失った昭恵夫人の心痛を察するものですし、何よりも志半ばで命を絶たれた安倍元総理の無念は察するに余り有るものです。安倍元総理のご冥福を心よりお祈りいたします。
だからこそ今回の銃撃事件をただ単に旧統一教会の犠牲者であり、頭のいかれた人間による仕業として済ませるのではなく、もっと本質に切り込んだ分析を行い、日本社会の問題点を洗い出すとともに、間違いなくその原因を生んでしまった旧統一教会の過ちも、今度こそ正さなければいけないのではないでしょうか。

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    • 私見

    こういう意見もあります。

    https://youtu.be/JcwtWq5DHTI

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