超富豪オリガーキーに支配されるアメリカ帝国〜トップ0.01%層が牛耳る米国政治ー貧富の差は世界最悪!!!
今回は経済問題に関して、拝米主義は日本の自滅行為である。
アメリカ経済のやり方を猿真似するのは間違いである。
それからアメリカが要求してくる通りに日本の経済構造を変えても、日本の経済は決して良くはならない。むしろ悪い方向に行く。
従って経済政策における拝米主義、アメリカを崇拝して言いなりになるというやり方は間違いである。
これが第二回目の伊藤貫セミナーのテーマです。
今日は経済政策において拝米主義、つまりアメリカを崇拝して、アメリカの言いなりになる、もしくは一生懸命アメリカ経済の猿真似をするは間違いであるということを、主に2つに分けて説明します。
1つはアメリカ経済では最近40年間、少なくとも6割の国民は、実質所得と実質生活水準が低下しています。
6割の人が生活水準と実質所得が低下しているのか、それとも8割の人が低下しているのかっていうのは、経済学者によって色々議論がありまして、6割だっていう人もいれば、実は9割だっていう人もいるんです。
それでアメリカの中央銀行であるフェデラル・リザーブでさえ、確か10年ぐらい前に最近30年間、9割のアメリカ国民の実質生活水準が低下してきているというレポートを出したくらいです。
要するに学者によって統計の取り方なんて、どういう統計の取り方をするのかによって変わりますから、6割の生活水準が下がっているのか、9割が下がっているのかというのは、どちらとでも結論が出せるのです。
ただ1つ確実なことは、少なくとも6割のアメリカの国民の実質所得と実質生活水準は下がっているということです。
しかもトップ1%、もしくはトップ0.1%のアメリカ人は、目の玉が飛び出るような巨額の富を得ているわけです。
彼ら0.1%もしくは 0.01%の人たちは、貧乏な人でも数百億円~数千億円も持っているんです。
すごくお金持ちの人は数兆円~数十兆円持ってるわけです。
そういう数十兆円持ってる人たちは、毎年数兆円ずつ自分の財産が増えてたりするんです。
その一方、例えばアメリカ国民の下半分の人たちは、1人当たり100万円の貯金さえ持ってない人なんです。
要するに100万円以下のお金しか扱ったことのない、生活の不安定な人たちなわけです。
ボトム3割っていうのは、ほとんど現金なんか持っておらず、もらったら全部すぐ使ってしまうような人たちなんです。
ですからアメリカは世界一、少なくとも先進諸国、もしくは中進国を見る限り、アメリカの貧富の差っていうのは世界最悪なんです。
これは意図的に作られた政策です。
ごく自然に普通に経済運営をしていたら、世界一貧富の差がひどい国になってしまうようなことはなく、政治家と有力な経済人、財界人、それからかなりの多数の経済学者が意図的に、故意に、最近30年間貧富の差がどんどん拡大していって、ついに世界最悪の状態になるようなところに持っていったわけです。
そのような数兆円、数十兆円持ってる人と、数十万円のお金にも困るような人たちが共存する社会では、政治的にどういう現象が起きるか。
それからこれは非常に多くの人が言ってることなんですけれども、今のアメリカは実は民主主義ではない。
表面的には民主主義をやってるように見えるけれども、実際は民主主義なんかなくなっている。
要するに見せかけの民主主義で、本当はごく一部の、一握りの特権階級が政策を全て決めていて、その特権階級、特に0.1%、トップ0.1%にますます富と政治権力が集中するような体制になっている。
これを政治学者や経済学者は、オリガーキー、寡占状態と呼ぶんです。要するにごく少数の人たちが富と権力を握るというのがオリガーキーですから、オリガーキー状態になってると言うんです。
要するに日本人がアメリカを崇拝して、アメリカの経済政策を猿真似すると、表面的には民主主義をやってるようで、実はオリガーキーになってしまう。0.1%が、0.01%が全てを決めてしまうことになる。
社会は0.1%か0.01%のために運営されている、そういう国になってしまう。
最初に貧富の差がこれほどひどくなった原因を言います。
すごく分かりやすい説明をすれば課税率です。
誰が税金を払ってるのかと言えば、アメリカでは実は税金を払ってるのは、ミドルクラスの人なんです。
超お金持ち、要するにトップ100人とか、トップ200人とか、トップ 400人の人たちは、課税率がものすごく低いんです。
トップ10人もしくは20人に焦点を当てると、この人たちは財産がどれほど増加しても、実際の課税率は1%か2%なんです。
自分の財産がどれほど増えても、1%か2%ぐらいの実質の税金しか払ってない。それが貧富の差を生む原因なんです。
だから金持ちになればなるほど、課税率がどんどんどんどん低くなっていくという、悪趣味なジョークみたいな話なんですけど、そういう悪いジョークみたいなことが現実になってるわけです。
例えば皆さんご存知のAmazonの創業者ジェフ・ベゾス、それから時々世界一になったりするイーロンマスク、世界一の投資家と言われてるウォレン・バフェット、乗っ取り王として有名なカール・アイカーン、金持ちのくせにラディカルな左翼にお金をばらまいて、社会を色々と問題を引き起こしているジョージ・ソロス。
このような人たちは財産が何兆円、もしくは何十兆円あろうと、しばしば所得税を1ドルも払ってないという状態なんです。
彼らの資産を見ると全然減ってないんです。
資産が数兆円、数十兆円あるくせに、最も優秀な会計士とか法律家、弁護士を雇うと、自分の得た利益を全て会計上のトリックによって、課税されないように分類し直すことができる。
そうすると今言ったベゾスにしてもイーロンマスク にしてもバフェットにしてもソロスにしても、あれほどお金を持ってるくせに、所得税はゼロで逃げることができるんです。
その最大の原因となってるのが、収入を現金で受け取るか、それとも株で受け取るかの違いなんです。
巨大な富を持ってる人たちは、自分たちで会社を経営してますから、そこから自分の収入を現金でもらうのではなくて、株でもらうことができるわけです。
自分が経営してる企業の利益は、全て株主のところに行くように利益を注ぎ込む。
最も簡単な例が自社株の買い戻しです。
自社株の買い戻しをやると、自分の持ってる株価はどんどん上がります。
それから一株あたりの収益も、どんどん高くなるように会計を操作することができます。
それによって自分の財産は毎年数千億円、もしくは数兆円増やせるわけです。
けれどもそれは株ですから、本人が売るという決断をしない限り、自分の財産が毎年数千億円ずつ、もしくは数兆円ずつ上昇しても、一切払税金を払わなくて済むわけです。
Facebookのザッカーバーグなんかはずる賢こくて、何十兆円も儲けた後は、ザッカーバーグ・ファウンデーション、慈善行為だとか言って、自分で財団を作るわけです。
自分の財産をそこに移してしまうわけです。
そうすると資本利得税とか、相続税とか、譲渡税とか、贈与税とかが全くかからなくて、自分の財産を税金逃れのために財団に移して、その財団から自分の都合のいいように時々自分のお小遣いなり何なりを引き出すようにする。
それと同時に税制上の特権を得ながら、その財団から何百億円、もしくは何千億円も政治家なり、別の組織にばらまいて、自分の経済的利益と政治的な影響力を増大していくことができるわけです。
だから所得税とかキャピタルゲイン税を払わないで、そういうトリックめいたことができるわけです。
例えばプロパブリカという調査団体によると、ウォレン・バフェットは2014~18年まで資産は240億ドル、日本円にすると何兆円か増えたんですけれども、彼が実際に払った所得税はたった2300万ドルだった。
彼の実際に増えた増加額と、彼の実際に払った課税額を比べると、なんと増えた分の約0.1%しか税金として払わなかったということです。
それからAmazonのジェフ・ベゾスはもうちょっと良心的で、彼も同じように税金を2014~18年まで計算してみたら、財産は1000億ドルほど増えたらしいんですけれども、彼は税金を9億ドルしか払ってないから課税率は0.9%だった。
とにかくこの文書では 0.9%の税金だけ払って、他の課税から逃れているとあるんです。
お金持ちが自分の所得を現金で受け取らないで、全部自分の会社の株で受け取る。
そして自分の会社の利益も、全部自社株の戻しという形にしてつぎ込むと、自分の持ってる株の値段はどんどん上昇していくわけです。
だけどそういう操作をしている限り、自分は所得税を現金でもらったのに比べて、所得税を全く払わなくていい。
もしくは0.1%なり0.9%で済む。
アメリカのミドルクラスの人たちは、年収例えば5万ドルとか10万ドルとかいう人たちは、連邦所得税と州の所得税と、それから小さなコミュニティの不動産税なり住民税を入れると、22%から28%ぐらい払ってるわけです。
そうすると年収600万とか1000万の人たちは、20数%から30%ぐらい税金を払うんですけれども、特権的なお金持ち、何兆円、何十兆円も持ってるような人たちは、0.1%なり0.3%、0.5%で済ましてしまう。
こうこういう税制になってますから、金持ちがどんどん財産を増やしていくということになるのは当たり前なんです。
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