狂った文在寅…今度は「韓国の英雄」を「親日レッテル」で冷遇していた!

7/16(木) 7:01配信
現代ビジネス

狂った文在寅…今度は「韓国の英雄」を「親日レッテル」で冷遇していた!

 白善ヨップ(ペク・ソンヨップ)予備役陸軍大将が7月10日亡くなった。

 ペク将軍は朝鮮戦争において韓国を滅亡から救った英雄であり、多くの韓国国民から慕われてきた人物である。しかし、ペク将軍は晩年文在寅政権から冷遇され、親日を理由にソウルの国立墓地への埋葬も見送られた。

 ペク将軍は、朝鮮戦争において多くの韓国軍部隊が北朝鮮軍に押しまくられる中で、文字通り孤軍奮闘し、在韓米軍からも伝説の英雄として尊敬されている。ただ、文在寅政権関係者のみ、北朝鮮に併合されれば良かったとでも思っているのだろうか。ペク将軍に対し、その功績に見合った処遇を行っていない。このように、韓国の救世主を冷遇する文在寅支配の韓国に未来はあるのだろうか。

 ペク将軍は70年前、破竹の勢いで押し寄せる北朝鮮軍の前で最後の防衛線を敷き、恐怖におののく兵士たちに「我々が引き下がれば米軍も撤収する。私が先頭に立って突撃し、陣地を奪回する。貴官らは私の後ろに続け。もし私が退がるようなことがあれば、誰でも私を撃て。さあ行こう! 最終弾とともに突入するのだ」と将兵を鼓舞し突撃した。

 ペク将軍は8000人の兵で、北朝鮮軍2万人の総攻撃を1か月しのぎ、戦況を盛り返した。

 こうしたペク将軍の勇猛さは韓国軍の戦意を疑っていた米国軍との信頼関係を取り戻させた。ペク将軍は仁川上陸作戦後、北朝鮮軍の間隙を突き戦線を突破して北朝鮮軍の背後に回り、平壌への一番乗りを果たした。また、中国軍の介入後一時劣勢に立たされていた国連軍の中でペク将軍率いる韓国第一師団が共産陣営からソウルを奪還した。

「親日派」の烙印を押して罵倒する

「親日派」のレッテルを貼り、批判するのは常套手段と化している photo/gettyimages

 ペク将軍は、朝鮮戦争中に韓国軍と警察の遺児や親を失った子供たちのために孤児院を立てた。北朝鮮人民の人権問題には口をつぐむ見せかけだけの人権主義者とは大きな違いである。

 ペク将軍は韓国軍の創設にも参加し、休戦会談では米軍から指名されて韓国の代表を務め、その後、33歳で韓国軍初の陸軍大将となり、陸軍参謀総長に2度就任するなど韓国軍の再建に尽力した。韓国軍を最初は「民兵隊」のように扱っていた米軍も、ペク将軍だけは「最高の野戦指揮官」として尊敬の念を惜しまなかった。米陸軍歩兵博物館には彼の肉声による証言が永久保存されている。

 ペク将軍が存在しなかったなら今の韓国はなかっただろうし、北朝鮮によって朝鮮半島は統一されていたことであろう。しかし、左派の文在寅政権の人たちはペク将軍が日本統治時代に満州軍にいて戦ったということを根拠に親日派非難を繰り返してきた。

 韓国を命がけで救った愛国者を正当に評価せず、親日派の烙印を押して罵倒するのは、北朝鮮に勝利した将軍は評価できないということだろうか。

 ペク将軍を丁重に弔い、ソウルの顕忠院に埋葬すれば、北朝鮮が非難することを恐れているのか。だとすれば国としての威信など微塵もない。嘆かわしい限りである。

 このような韓国に未来はないだろう。北朝鮮になびいている韓国をどの西側陣営の国が評価するだろうか。韓国国民はいつまで文政権の欺瞞に騙され続けるのか。正体を見極めるべき時が来ている。

朝鮮日報が「社説」に書いたこと

朝鮮戦争の戦没者への慰霊はいまも続く photo/gettyimages

 国を存亡の危機から救った、ペク将軍の葬儀は国民葬ではなく、より格式が低い陸軍葬として行われた。文在寅大統領の青瓦台はペク将軍の死去に関して3日間声明を発していない。文在寅大統領も殯処(ひん)所を訪問しておらず、大統領としての弔花を贈り、盧英敏(ノ・ヨンミン)秘書室長が訪問しただけである。

 朝鮮日報は社説で、韓国の統帥権者である文大統領がペク将軍を弔問するのは基本的義務だと述べている。全くその通りである。

 文在寅氏が大統領就任以来弔問したのは3回のみ、そのうちの一回は元慰安婦の金福童(キム・ポクドン)さんである。元慰安婦の葬儀に大統領が行くべきでないというつもりはないが、元慰安婦の葬儀に行くのであれば、当然国を北朝鮮の支配から救った英雄の葬儀にも行くべきであろう。

 文在寅氏の思考構造がどうなっているのか、全く理解できない。

 さらに、ペク将軍を「場所がない」という理由で12万人の朝鮮戦争の戦友が眠るソウル顕忠院ではなく、大田顕忠院に埋葬するという。

 親族が大田顕忠院といったというが、与党の一部議員らは「親日派破墓法」の成立を推進している。親日派の人々がソウルの顕忠院に埋葬されれば、後日、墓の移し替えを行うことになるかもしれないと脅していたということも漏れ伝わる。そうした混乱は親族も望まなかったのであろう。

 野党未来統合党、在郷軍人会、陸軍協会、大韓民国守護予備役将校団などはソウル顕忠院への埋葬を求めているが、文在寅政府は聞き入れようとはしない。

 青瓦台での記者ブリーフィングではペク将軍に関し、「侵略国の将校で、親日反民族行為者の前歴を持つ人間の国立墓地埋葬は妥当なのか」という質問が出たという。

 これに対し青瓦台は積極的に反論せず、「国防部と報勲処が立場を表明した。青瓦台がこれ以上申し上げることはない」と述べたようである。質問する側も、これに答えた青瓦台側も基本的見識も常識もないことは歴然である。

 ペク将軍は親日派なのか国の英雄なのか。このようなことで立場が分かれる韓国の現実は、外国人のわたくしが見ても情けない。国論を分裂させることに積極的な文在寅政権だから起きる現象であろう。

英雄を敬えない異常な国

 青瓦台の反応と比べ、米国の反応は真逆である。

 米国ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)は声明を出し、「韓国は1950年代に共産主義の侵略を撃退するためすべてを投げうった白善ヨップと英雄たちのおかげで、今日繁栄する民主共和国になった」と哀悼の意を表明した。パーウェル・ベル元在韓米軍司令官も「ペク将軍は米国独立戦争を勝利に導いたジョージ・ワシントンのような、韓国軍の父」と呼んだ。

 在韓米軍は2013年ペク将軍を「名誉米第8軍司令官」に委嘱し、公式行事では現役の第8軍司令官と同じ待遇を行ってきた。在韓米軍のロバート・エイブラムス司令官は「ペク・ソンヨップ将軍は心から懐かしまれる英雄であり、国の宝だ。米韓同盟を築くために貢献した」と評した。

 文在寅の韓国では親日派として冷遇されても米国からは最大限の敬意をもって接遇されているのである。このような韓国政府の反応を見て米国はどのように感じているのであろうか。韓国は英雄を敬えない異常な国と映っていることであろう。

韓国国民はペク将軍を哀悼

 わたくしが、最初に韓国に赴任したのは1975年であり、当時はまだ27~28歳であった。

 私はそのころからペク将軍を存じ上げていたが、ペク将軍はわたくしのような若造に対しても一人前として親しく接してくださり、いろいろご教示を得た。私の知る韓国の知識人、軍人は一様にそのようなペク将軍に対し親しみを覚え、敬意を表していた。大使館の防衛駐在官は一人の例外もなくペク将軍を頼りにしていた。

 そうしたペク将軍であるから、韓国政府は冷たくても多くの市民が自主的に哀悼の意を表している。

 「全国大学生代表者協議会(全大協)」は、ソウル市内中心部にある光化門広場にペク将軍の「テント焼香所」を設置した。12日だけで1万人の市民が焼香に訪れたという。一人の一般焼香者のコメントは「国を救った英雄であるペク将軍が冷遇されたニュースを見て申し訳ない気持ちになり、焼香所を訪れた」ということである。午後には一時200メートルを超える列ができたという。なお公式の葬儀場は漢江の南松坡区の峨山病院である。

文在寅の韓国には未来はない…?

 韓国政府の対応は韓国の安全保障を危機に陥れ、日韓関係を一層破壊し、米韓の信頼関係を損傷させるだろう。

 救国の英雄を敬えない思考構造から、自国を守ろうとする意識の乏しさが伺える。だからこそ昨年9月に北朝鮮と軍事合意を結び、韓国の防衛力を一方的に弱めたのである。

 政権に都合が悪くなると親日派打倒を持ち出す、文在寅政権では日韓関係を改善することは都合が悪いとしか思えない。文政権が続く限り日韓関係の修復はないのがこの点からもわかる。

 米国が敬う韓国軍の父を粗略に扱う韓国政府。米国は軍の英雄に最大限の払う。これができない韓国とは信頼関係が築けないだろう。

 こうした文政権の韓国の基本的欠陥。どうして未来があるだろうか。

武藤 正敏(元駐韓国特命全権大使)

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