WTO提訴の韓国に米の鉄槌! 「安全保障上の利益を保護するために何が必要か判断できるのは日本だけだ」 識者「韓国に歩み寄る国はない」
8/8(土) 16:56配信
夕刊フジ
日本政府が韓国向けの輸出管理を強化したことで世界貿易機関(WTO)に提訴した韓国に大逆風が吹いている。米国が日本の判断に理解を示し、韓国の姿勢を痛烈に批判したのだ。WTO事務局長の座も狙う文在寅(ムン・ジェイン)政権だが、もくろみは外れそうだ。
WTOは3日、先月末に設置された紛争解決機関(DSB)のパネル(案件を審理する小委員会)での会議の要約を発表した。それによると、日本は輸出管理強化は「安全保障上の措置」だとして、韓国の提訴に深い失望を示した。
日本以上に韓国に強く反発したのは米国だった。「安全保障上の利益を保護するために何が必要か判断できるのは日本だけだ」と見解を示し、このような訴訟はWTOに深刻なリスクをもたらし、国家安全保障問題に組織を巻き込む恐れがあると警鐘を鳴らした。
米国から何ひとつ賛同を得られなかったことで、韓国メディアは「事実上、日本側の論理を後押しする」「日本の肩を持った米国」などと悲観的に伝えている。
今後はパネリストの選定や意見書の提出、口頭審理などの訴訟手続きが本格的に進められ、最終判定までには、10~13カ月を要するとみられる。
米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「米政府が中国に圧力をかけることを最優先に行動している中、アジアで最大の同盟国である日本の足を引っ張っているのが韓国だ。米国は韓国に警戒心を抱き、隊列を乱されていると感じているに違いない。英・仏なども脱中国の動きをみせており、韓国に歩み寄る国などほとんどないだろう」と分析する。
日本の外務省は3日付で国際法局に経済紛争処理課を新設した。経済局にあった国際経済紛争処理室を課に格上げし、WTOの訴訟などへの対応を強化する狙いがある。昨年4月にWTO上級委員会で、韓国が福島など8県産の水産物の輸入制限措置を取っていることが妥当と判断されたことを受け、設置に至った。
一方の韓国は、産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長がWTOの次期事務局長選に立候補しており、図々しくも日本に支持を呼び掛けている。
前出の島田氏は「ある外務省幹部は『韓国がWTOのトップを務めるのは論外で、日本をつぶすためだけに行動している』と憤っている。WTOの事務局長選は前哨戦で、経済協力開発機構(OECD)のトップを狙って動いているという見方もある。そのためには中国が鍵を握っており、米国は韓国が中国とともに動いているとみている」と指摘した。
この記事へのコメントはありません。