文在寅の大誤算…徴用工問題の放置は、韓国経済にとって「自殺行為」だった

文在寅の大誤算…徴用工問題の放置は、韓国経済にとって「自殺行為」だった
8/10(月) 7:01配信

現代ビジネス

 8月4日、元徴用工訴訟に関して、韓国の裁判所が日本製鉄に行った公示送達の効力が発生した。

 わが国は日韓請求権協定に基づいた対応を求め続けたが、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は要請に応じなかった。

 それに伴い、日韓関係は一段と深刻な状況を迎え、両国には大きな阻害要因が発生することが懸念される。

 これまで、わが国からの技術移転や貿易取引などに依存してきた韓国経済への影響は大きいだろう。

 韓国にとってわが国との関係はかなり重要であるはずだ。

 韓国経済を支えるサムスン電子などの財閥企業は、わが国金融機関からの信用供与に依存する部分はかなりある。

 IT分野など資金需要が旺盛な分野で資金調達に支障が出るようだと、そのマイナスの影響は無視できないだろう。

 文大統領の政策運営は、日韓関係に重大な亀裂を生じさせている。

 同氏は、それが結果的に自国を苦しめる可能性が高いことを認識しているのだろうか。

 最近では、文大統領の経済は中国、安全保障は米国、外交は北朝鮮という政策運営は、国際的にも同国の信用を失わせる結果になっている。

 コロナショックや米中対立に加え、日韓関係が一段の悪化に向かうことによって、韓国はかつて経験したことがないほどの苦境に陥る可能性がある。

元徴用工問題、放置の背景
〔PHOTO〕Gettyimages

 文大統領は、市民団体や労働組合などからの支持獲得にかなりの心血を注いできた。

 それによって文氏は左派の政権基盤を固め、大統領任期後の自らの立場を守りたいと考えているように見える。

 文氏は国内世論を分断してまで、スキャンダルにまみれたチョ・グク氏を法相に任命し検察改革を断行しようとした。

 過去、政権交代のたびに歴代の大統領が逮捕されるなどした影響は大きい。

 足許、文大統領の政策はかなり行き詰っている。

 文氏の肝入り政策である北朝鮮との“南北統一”はうまく進んでいない。

 経済面では、米中対立の激化や文氏の経済運営の失敗、さらには新型コロナウイルスの発生による企業業績の悪化も重なり雇用悪化が止まらない。

 不動産価格は高騰し、家計の債務問題も深刻だ。

 その結果、文氏への不支持率が支持率を上回って推移している。

 文氏は、南北統一と並ぶ重要政策の“反日”を強化し支持率を回復したい。

 その心理がかなり強いため、植物園に設置された“謝罪像”について文氏は明言を避けた。

 さらに、8月4日に日本製鉄に対する公示送達が発効したことも文氏は容認した。

 そうすることによって文氏はわが国への強硬姿勢を明確に示し、支持を取り込みたい。韓国の反日姿勢はこれまで以上に激化するだろう。

 今後、韓国が歴史問題に関するより多くの賠償をわが国に求める可能性は排除できない。

 また、反日心理の高まりが不買運動などを激化させることも十分に考えられる。

 わが国が各種報復措置の準備を急ぐのは、企業に実害が及ぶ危険性が高まっているからだ。

 日韓関係はかなり深刻な状況にある。

 わが国は国際世論の支持を得て韓国への対応策を万全にしなければならない。

 それは、わが国の国益を高めることにつながる。

韓国の最大リスクは文大統領

 韓国が国際的な常識を無視して、他国企業の資産を差し押さえるようなことがあると、同国のカントリー・リスクは上昇し海外企業が安心して投資することが難しくなる。

 そうした政策運営を行う文大統領は、韓国にとって最大のリスク要因といってもよいかもしれない。

 文氏の政策の負の影響を被るのは韓国自身だ。

 日韓両国は重要な隣人だ。

 ということは、韓国にとっても、わが国との関係は重要だ。

 それは、昨年7月、わが国が特定品目の対韓輸出管理を厳格化した直後のサムスン電子とロッテの行動から確認できる。

 両社のトップは文政権との協議を欠席して来日し、わが国企業や金融機関との関係維持を優先した。

 これまで慢性的なドル不足に直面してきた韓国企業にとって、わが国金融機関との取引維持はそれだけ重要ということだろう。

 コロナショックの発生以降、むしろ、韓国企業にとって対日関係の重要性は高まっていると考えられる。

 ドイツなど欧州銀行勢の不良債権問題と収益力低下は深刻だ。

 米国では韓国の安全保障体制への懸念が高まっている。

 そうした状況下、元徴用工問題をこじらせて、わが国との関係を一段と悪化させることは決して好ましいことではない。

 今後、韓国から脱出する企業は増加することになるかもしれない。

 文大統領は、自らの政策が韓国を一段と厳しい状況に追い込んでいることが認識できないのだろうか。

 わが国としては、そうした文大統領を本来の意味で相手にする必要はないかもしれない。

 わが国は国際世論を味方につけて、自国の主張の正当性を客観的かつ明確に世界に示し、自国企業を守ることにのみ注力すればよい。

真壁 昭夫(法政大学大学院教授)

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