中国によるさまざまな「対外工作」が明るみに出つつありますが、11月26日には米メディアにより、「フィリピンの電力供給網が中国支配下にある」といった内部報告書の存在が報じられました。この報道を受け、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、中国がフィリピンの送電網を実質支配する実態を紹介した上で、今後の中比情勢に対する懸念や、フィリピンの惨状から日本が学ぶべき教訓を記しています。
中国は、フィリピンの●●を支配している!
米中覇権戦争が本格化し、中国の実態が続々と暴露されるようになってきました。たとえば、中国は、ウイグル人100万人以上を強制収容所にぶち込んでいる。たとえば、中国人スパイがオーストラリアに政治亡命を申請し、中国諜報の実態を激白している。
今度は、「中国が、フィリピンのライフラインを支配している」という話がでてきました。それで、有事の際、中国は、一瞬で壊滅的打撃をフィリピンに与えることができる。なんか、陰謀論みたいな話ですが…。こちらをごらんください。
フィリピンの電力網、中国が「いつでも遮断可能」 内部報告書が警告
CNN.co.jp 11/26(火)17:58配信
(CNN)フィリピンの電力供給網は中国政府の支配下にあり、紛争の際には遮断される可能性があるという議員向けの内部報告書の存在が明らかになった。
中国は、フィリピンの電力供給網を支配している。紛争の際には、電気を止めることができる。困りますね。生活がマヒする。経済がマヒする。軍隊が動かせなくなる。
どうやって中国は、フィリピンの電気を支配しているのでしょうか?
中国の送電会社の国家電網は、フィリピンの送電企業NGCPの株式の40%を保有している。民間の合弁企業のNGCPは2009年からフィリピンで送電事業を行っている。中国がフィリピンの電力システムに介入する可能性については10年前の合意時から懸念が出ていた。
(同上)
NGCPはフィリピン全土で電力の送電事業を行っており、同社の報告書によれば、フィリピンの家庭の約78%に電力を供給している。2009年に民営化され、国家電網が株式を保有したほか、運営のためのスタッフも派遣している。
(同上)
中国の国家電網は、フィリピンの送電会社NGCP株40%を保有している。
内部報告書によれば、システムの主要素にアクセスできるのは中国人技術者のみで、理論上は中国政府の指示によって遠隔で動作を停止させることも可能だという。
(同上)
情報筋によれば、内部報告書は電力網が現在、中国政府の「完全な支配下」にあり、中国政府はフィリピンの電力網に混乱を引き起こす能力を保持していると警告している。
(同上)
中国政府は、指示するだけで、いつでもフィリピンの電気を止めることができる。もちろん、中国が何もなしにフィリピンの電気を止めることはないでしょう。しかし、中国とフィリピンの間に紛争が起これば、中国が電気を強力な武器として使う可能性はあります。では、中国、フィリピンで紛争が起こる可能性はあるのでしょうか?
あります。1994年、中国は、フィリピンが実効支配していたミスチーフ礁に侵攻し、勝手に建造物をつくりはじめました。2012年、中国は、フィリピンが実効支配していたスカボロー礁に侵攻。2013年から、軍事施設の建設を開始しました。
フィリピンのドゥテルテ大統領は、アメリカを捨てて中国に走りました。ドゥテルテさんには中国と戦う意志がないので、中国の属国になってしまった。それで、彼が大統領のうちは、中比戦争が起こる可能性は低いでしょう。
しかし、将来の大統領が、「中国の属国はイヤだ!戦おう!」と決意し、動き出した。そうなったら、中国は、フィリピンの電気を止めて壊滅的打撃を与えるかもしれません。
中国の属国として生きるか、それとも戦って敗れるか。どっちにしてもフィリピンの未来は暗いようです。
日本は、中国に接近してひどい目にあっているフィリピンから、教訓を得るべきですね。まずライフラインに関係する会社に外国資本を入れるべきではない。
「水源や森林を中国人が買いあさっている」という話があります。これは、法律で禁止すべきでしょう。そして、「アメリカを捨てて中国につけ」という人たちに、「フィリピンのようになるのは、まっぴらごめんです!」と言いましょう。
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