・日本統治下の現地軍の創設・育成が果たした役割
日本統治下において、これまで独立運動を指導してきた人々を支援し、白人による植民地支配のもとでは許されなかった軍隊を、それぞれの地域において創設し、実際に戦えるまで訓練を施し、知識と教育を伝授したことは、日本軍が去ったあとの独立運動における大きな土台となり、各国の独立に決定的な影響を及ぼしました。
再び植民地支配をしようと舞い戻ってきた旧宗主国の軍と独立をかけて戦った主力は、日本統治下で育てられた国民軍でした。また、直接交戦には至らなかったまでも、やがて独立へと至る有利な条件を引き出せたのは、かつて欧米諸国が植民地支配をしていた頃とは異なり、まがりなりにも現地の軍隊が組織されていたからこそです。
また、独立を果たした後の政府要人には、日本統治下で独立意識を高め、育てられた人物が多く含まれていたことも事実です。
日本は資源を確保することを第一の目的として、アジアに居座る欧米諸国の軍を蹴散らしました。
しかし、日本が為したことは、単に欧米の軍を撃破したことに留まりません。数世紀にわたって維持されてきた「白人の優越性」を覆したことこそが、アジア復興の端緒となりました。アジアの解放と復興は、白人の優越性の神話が崩壊することで、はじめて為せたのです。
日本の掲げたアジア解放の大義は、日本の思惑を超えて一人歩きをはじめ、日本が敗れてもなお命脈を保ち続け、ついには現実の世界を変革することに成功したのです。
連合国軍東南アジア最高司令官であったマウントバッテン元帥も次のように語っています。「それは史学の権威トインビーが、いみじくも喝破した通りである。もし、『日本について、神が使命を与えたものだったら、それは強権をわがもの顔の西欧人を、アジアのその地位から追い落とすことにあったのだ』」
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