台湾有事シミュレーション アメリカは中国に勝てない

中国海軍艦艇が対馬海峡、宮古海峡を通過

産経新聞の記事の概要です。
防衛省統合幕僚監部は22日、中国海軍のフリゲート艦3隻が宮古海峡と対馬海峡を、それぞれ通過したと発表しました。
1隻のフリゲート艦は19日午後6時ごろ宮古島と沖縄本島の間の宮古海峡を北上し、太平洋から東シナ海に入りました。
また19日午後11時ごろには別のフリゲート艦1隻が、対馬海峡を南下して日本海から東シナ海へ向けたということです。
18日には対馬海峡で中国海軍艦艇2隻、ロシア海軍艦艇1隻が航行するのがそれぞれ確認されたほか、中国海軍の測量艦が、鹿児島県沖の領海内を航行したと判断される事案も発生しています。

長谷川
中国が仮に台湾に武力侵攻した時に、さらにその武力侵攻が成功して台湾が中国のものになってしまった場合、何が起きるかというと、こういうことが毎日のように起きる。つまり日本列島が全部中国によって脅かされていく。いわばこの前哨戦のような形で今これが起きている。

これに対してはどうするのかということを真剣に考えるべきだというふうに思うのと、それともう一点台湾の問題。

実は台湾が攻められた時にどうするかということについて、アメリカは何度も何度もシミュレーションやってるんです。軍事シミュレーション。ランド研究所と一緒に。
その何度も何度もやったシミュレーションの結果がどうなるかって言うと、アメリカはボロ負けです。ボロ負け。1回も勝ったことがないどころか、中国人民解放軍を追い返すなんてことは1回もできていない。
これはもう軍事関係者の一致した見方なんです。

その上でそういうシミュレーションを前提に、今アメリカで起きている議論は何かというと、台湾を守れるのかっていう議論です。

軍事関係者は守れない。だから守るべきではない。
もっというとアメリカは台湾を守るという公約を撤回しろとそこまで来てる。
これが今の議論なんです。
これは軍事関係者の、軍の専門家、海軍大学の教授たちが言ってる議論なんです。

これに対して守るべきだっていうのは、国務省サイドの人たちが言ってるんです。
その彼らの論拠は、もし台湾を失ったら、守らなかったら、アメリカの信頼性が傷つくでしょということ。
日本や韓国やヨーロッパが、アメリカは守らないのか、そんなアメリカは信頼できないということになってしまってそれは大変な事態だ。同盟に対する裏切りだし、信頼を失うということはアメリカにとって大変な事態だ。だから守るべきだっていうのが国務省の議論。

これに対して軍の、海軍大学の教授は何と言ってるかというと、信頼度が傷つく、例えば日本がアメリカを信頼しなくなる、だから何だってんだよと、どうせ日本はアメリカを頼るしかないでしょ。信頼度が傷つくなんて言われたって、日本はアメリカ以外に選択肢はないでしょと、関係ないそんな話は。

そこまで実は議論が来てるんです。アメリカの本音の議論。

そうすると一番大事な問題で、台湾の話というと、果たしてアメリカは台湾を守りに海兵隊が来るのか、人民解放軍と戦うのかっていうと、私は戦わない可能性が高いなと思う。
ということは台湾は取られちゃうってことなんです。

私は日本もそのくらいのシナリオを頭においてこういう問題にどうすべきかということを考える、そこまで局面が来ているというふうに私は思ってるんです。

飯田
この台湾を巡る問題っていうのがホットウォーに、つまり実際の武力衝突になったら、正直軍事的な側面はともかくとして、アメリカにとっても中国にとっても、実際の衝突が起きることが、両国の敗北に近いと思うんです。

台湾侵攻したら明確な侵略戦争ですから、それに対して国際社会っていうのがどういう対応をするか、ロシア北朝鮮ぐらいを除いて、世界のほとんどの国が敵国に回るわけです。

それでもなおやるという選択肢を中国に持たせないために、経済的な関係を中国と切り離していくか。一方でも日常品の貿易とか観光旅行とかすりゃいいと思うんですけれども、どうやって中国経済圏とアメリカ経済圏を切り離して、さらにはより多くの国をアメリカ経済圏に保つことによって、過度に中国の軍事行動が取りやすくなるような状況、つまり世界を敵に回してもまあいいじゃんって思える状況にしないように持って行くか、今度はこっちになると今度は経済の外交の問題。そこで留めておかないと両国敗北っていう結果につながるんじゃないかなと思います。


長谷川さんの話って相当深刻だなと思ったんですけど、それを別の指摘もすると、台湾について、アメリカや欧州諸国がなぜこれだけ重視をしてやってくれるか、アメリカも欧州政府も台湾を守ろうという方針になっている、これ何でかというと、もちろん香港みたいになっちゃったら大変だといったようなことはもちろんあるんだけれども、加えて言うと半導体です。
台湾には半導体工場があって、米中2極化している中で、もし中国側の勢力に台湾を持ってかれたら、経済戦争で勝てない。

半導体というのはこれからのデジタル社会の基盤の一つで、その主力の生産地が台湾になっていますっていうのがあって、だからこそみんな重視をしてくれる。

これ日本が仮に同じような状態、すぐにはならないかもしれないけれども、10年後20年後に、日本がそれくらいの状態になった時に、世界が日本大事だよねということになりますっていうことをちゃんと考えておかないといけない。

日本は過去30年間、どんどんどんどん経済的に衰退をしてきて、一人当たりGDPで見たら、台湾よりもとっくの昔に貧しい国なっちゃった。これからさらに衰退が進んで行った時に、日本がそれだけ重要な国として認めてもらえますかと、みんなで守ろうと確約してもらえるかということも考えないといけないです。

長谷川
もう一つだけ念のため繰り返しておきますと、アメリカやイギリスや英語圏では、台湾は守れるのか、守れないでしょ、守るべきなのか、こういう議論は大っぴらに行われてるわけで、アフガニスタン撤退以降ますます加速してて大議論なんです。

ところが日本では未だに台湾はアメリカが守るんでしょっていう暗黙の前提で、物事考えてるらしくて、ここに私は非常な危機感を覚えているんです。

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 家庭連合へ
にほんブログ村 哲学・思想ブログ サンクチュアリ教会へ
  • コメント: 0

関連記事

  1. 全人代で「海警法」など審議へ 中国船の動きがさらに先鋭化か

  2. 「日本人よ、強くなりなさい」李登輝元総統の教えと叱咤激励! 河野防衛相「なぜ中韓の了解がいるのか」の言葉に日本人の矜持

  3. 李登輝の遺志はどこへ? 安倍「非台湾寄り」政権では日米台共に沈む

  4. 中国が台湾を武力攻撃した時にアメリカは中国に勝てるか?

  5. 「自分の身は自分で守る」――台湾はなぜ「新型コロナ」に勝てたのか

  6. 台湾でコロナを封じ込めた「鉄人大臣」の知られざる素顔

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. ウクライナ戦争の原点、ソ連崩壊後の非人道的アメリカの対ロ政策

    2024.04.10

  2. プーチンが語るアメリカを陰で動かしている力

    2024.04.07

  3. イスラエルを狂気に駆らせた捏造記事!?

    2024.04.06

  4. 今も変わらぬバイデン40年前のエピソード

    2024.04.03

  5. ウクライナ戦争の裏の顔

    2024.03.21

姉妹サイト