フランスによるアジア侵略

・フランスによるアジア侵略
植民地争奪戦に遅れをとったフランスは、現在のベトナム・ラオス・カンボジアを合わせた領域を侵略し、19世紀後半にそれらの地域をまとめて仏領インドシナとして支配下に治めました。

フランスがベトナムを植民地化においた際に真っ先に手がけたことは、主要な街に刑務所を作り、刑務所の数に合わせて本国からギロチン台を取り寄せることでした。
サイゴンにはベトナムでもっとも高い建物になる5階建てのチーファ刑務所を建て、それでも囚人を収容しきれなくなるとサイゴンの南海にあるコンダオを監獄島に作り替えました。そうしてフランスに逆らった者、フランスのために働かない者がいると刑務所に収監し、次々とギロチン台にかけていったのです。

ベトナム人には過酷な税金が課せられました。10才以上のすべてのベトナム人に対して、当時のベトナム人の平均給料3ヶ月分に近い人頭税が課せられ、さらには結婚税・葬式税・物品税・通行税などが重くのしかかりました。
圧政に耐えかねて抗議のデモが起きると、フランス植民地政府はためらうことなく爆撃機を飛ばし、群衆に向けて機銃掃射をしたことが、1930年代にフランス人女性ジャーナリストのアンドレイ・ビオリスが著した「インドシナSOS」に綴られています。

その頃、東南アジアや太平洋地域の国々も、次々に欧米の植民地になっていきました。
1800年代後半から1900年代前半へかけて、イギリスはオーストラリア、ニュージーランド、マレー半島などを、フランスはベトナム、ラオス、カンボジアなどを、スペインはフィリピンを、オランダはインドネシアを、ドイツが太平洋沖の各諸島をそれぞれ植民地とし、東南アジア、太平洋地域で植民地化されていないのは日本以外では、タイ、モンゴル、清国の一部、朝鮮のみという状況にまでなってしまいました。

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