大航海時代から第二次世界大戦に至るまでの詳細

大航海時代から第二次世界大戦に至るまでの詳細

▼大航海時代(1400~1600年代前半)

1400年代以前のヨーロッパは、イスラム教の勢力からの侵攻と、聖地奪還のための十字軍による、キリスト教対イスラム教社会という宗教対立の様相を呈していました。
肉食であるヨーロッパ人にとって、インドをはじめとするアジアの国々でしか栽培がされていなかった「胡椒」などの香辛料が、食肉の保存に欠かせない必需品となっていました。
しかし1400年代後半になると、オスマン帝国というイスラム教勢力が拡大し、ヨーロッパ人はアジアまで陸路を旅することができなくなっっていきました。そこで陸路をあきらめ、海路を利用することで大航海時代が始まりました。

大航海時代は、1600年代中頃まではスペインとポルトガルの二大強国の時代でした。
両国は先を競ってインドを目指しましたが、スペインは大西洋を西へ、ポルトガルはアフリカ大陸にそって南下することでインドに先に到着しようとします。

・トルデシリャス条約
1494年にローマ教皇アレクサンデル6世の仲裁によってスペインとポルトガルの間にトルデシリャス条約が結ばれ、スペインは「新大陸」における征服の優先権を認められました。
トルデシリャス条約では新たに征服される土地と住民はスペイン国王に属すこととされました。
スペインによるアメリカ大陸制圧を担った者達はコンキスタドール(征服者)と呼ばれました。

コロンブス、ヴァスコ・ダ・ガマ、マゼラン、彼らは大航海時代の偉大な冒険家、あるいは英雄として語り継がれています。
コロンブスたちが新大陸や新たな未知の大地を発見したことで、ヨーロッパは大きく繁栄したからです。
しかし、新大陸にしても新たに発見された土地にしても、すでにそこには先祖代々住み着いている先住民がいました。先住民から見れば、コロンブスたちはまさに災厄を運ぶ者でした。

白人征服者たちは鉄砲と十字架を持って新たに発見した島に上陸すると、小高い丘に十字架を立て、神の名によってこの地を本国の国王の土地であると一方的に宣言しました。自国領土となったその地にある資源や宝物、住民はすべて国王の物です。
鉄砲という先住民が見たこともない武器で脅し、征服者たちは島の金銀や財宝などを根こそぎ奪いました。少しでも反抗する者は即座に撃ち殺すことで、恐怖によって先住民を支配したのです。

当時、ローマ法王庁は、スペイン・ポルトガル両国の貿易事業に莫大な資金を提供する代わりに、宣教師を同行させ、世界中にキリスト教を布教するよう命じていました。異教徒をキリスト教に改宗させ、キリスト教勢力の拡大を図るための事業だったのです。
こうしたローマ法王による公認があったため、スペイン人やポルトガル人は、原住民から富を収奪することにも、奴隷化することにも、殺害することにもほとんど罪悪感を感じることがなかったのです。

スペインとポルトガルは、本国からアフリカへ物資を輸出し、売ったお金で黒人奴隷を買い、その奴隷たちをアメリカ大陸へ連行して中南米の開拓に従事させ、さらにそこで得られた富を本国へ送るという、「三角貿易」と呼ばれる貿易形態を確立して莫大な富を得ました。
現在の中南米では、ブラジルがポルトガル語、その他の国ではスペイン語が公用語になっていますが、それはこの時代の両国による植民地政策の名残りです。

では具体的に神に選ばれたかれら白人征服者たちは、実際どのように南北アメリカ大陸、アフリカ大陸、アジアを植民地として行ったのかを見ていきたいと思います。

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