非侵略国家連合(NANUC:Non-Aggression Nations Union by Creaturism)

非侵略国家連合(NANUC:Non-Aggression Nations Union by Creaturism)

1、ロシアによるウクライナ軍事侵攻が教えてくれたもの

2021年初頭からロシアは長期にわたり、ベラルーシ側を含むウクライナ国境周辺への軍事力の増強を行っていました。
同年12月3日、ワシントン・ポスト紙が、米情報機関からの報告書の内容として、「ロシアが2022年早々にも最大17万5000人を動員したウクライナ侵攻を計画している」とスクープ。
そんな中始まった2022年2月の北京オリンピック。ロシアのプーチン大統領は北京を訪れ、習近平国家主席と対談。この時点ではロシアによるウクライナ侵攻と、中国による台湾侵攻は、可能性は十分高いとは言え、現実には起こらないだろうと誰もが考えていました。
2月4日に始まった北京オリンピックが20日に閉幕し、その余韻も冷めない2月24日、ロシアはウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始しました。
2014年に起こったロシアによるクリミア併合はハイブリッド戦とも呼ばれ、用意周到に準備されたロシア軍の電光石火の如き作戦が功を奏し、ロシアはほぼ無血で、10日間ほどでクリミアを占領・併合することに成功しました。
その時の成功体験もあり、当初ロシアは2日もあれば首都キエフは陥落し、ウクライナ侵攻に成功するだろうという予測によってウクライナ侵攻を始めたのか、ロシアの国営メディア・ロシア通信が、ロシアによる軍事侵攻が始まってから2日後の2月26日に自社サイトに「(ソ連が崩壊した)1991年の悲劇は克服された」として、ロシア軍の「戦勝」を祝福。「反ロシアとしてのウクライナはもはや存在しない」と掲載しました。
記事は予定稿と見られすぐに削除されたものの、ベラルーシのメディアは「公開は事前に計画され、ロシアはウクライナを2日間で占領する予定だった」と伝えています。
ロシアによるウクライナ侵攻は、キエフを陥落し、ゼレンスキー大統領を排除し、親露政権を樹立することが目的でしたが、短期決戦に失敗し、ロシア軍は甚大な被害を受け、核兵器の使用までほのめかさざるを得ないところまで追い詰められています。

この2022年に起きたロシアによるウクライナ戦争は、多くの教訓を私たちに与えてくれました。

①【国連】

・国連は有名無実となり、完全に機能不全に陥っている。
 ⇒国連常任理事国であるロシア、中国は侵略国家であり、今では人類の敵となって、牙を剥き出しにしている。
・世界の警察と言われたアメリカ一国では、もはや世界の平和は維持できない。

②【核保有】

・いくら平和を願っても、核を持たない国の約束・条約は一方的に反故にされ、力による現状変更を企てる国の侵略を受けてしまう。
 ⇒ウクライナは元々核保有国だったが、1994年12月5日、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナが核不拡散条約に加盟した場合、協定署名国(アメリカ、ロシア、イギリス)がこの3国に安全保障を提供するとしたブダペスト覚書が反故にされ、ロシアによって侵略された。
・核保有国が侵略国となった場合、最悪の場合核の使用が懸念されるため、アメリカもその他の核保有国も、直接戦争に加わることはできない。
 ⇒核保有国同士の直接戦争は第三次世界大戦に繋がり、世界の終焉にも直結してしまう。
・北朝鮮のような核保有国には侵略することはできない。
 ⇒核保有こそが最大の戦争抑止力。
 ウクライナやアフガニスタンのような非核保有国には、侵略することができる。

③【集団安保体制】

・日本を侵略する可能性のあるロシア、中国、北朝鮮が日本に侵略してきた時、日米安保は役に立たない。
 ⇒ロシア、中国、北朝鮮は全て核保有国であり、核保有国との戦争にはアメリカは直接介入しない。
 もしアメリカが介入した場合、アメリカ本土も核の危険性に晒されるため、アメリカも戦争には介入できない。
・バルト三国はNATOに加盟しているため、ロシアも侵略できない。一方ウクライナはNATOには加盟できていない。
 ⇒バルト三国への侵略は、NATO全体への侵略となるため、ロシアもバルト三国へは侵略ができない。

④【日本の防衛】

・日本が戦争からまぬがれるためには、NATOのような集団安保体制に加盟するか、独自の核を持つしかない。
・ウクライナを命がけで守るよりも、一旦国外に退避し、政情が安定したらウクライナに戻ったらいいという日本によくある考えは根本的に間違っている。
 ⇒一旦侵略国家によって侵略された国土は、基本的に二度と再び戻ってくることはないことは歴史が証明している。
 ソ連・ロシアによる北方領土の不法占拠。韓国による竹島の実効支配。在日米軍基基地。

 侵略国家によって蹂躙された場合、抵抗勢力は残忍な方法で処刑されてしまう。
・ウクライナでロシア軍が苦戦したのは、ウクライナを命がけで守ろうとするウクライナ国民の力があったからこそ。
 ⇒命がけで国を守ろうとする指導者が率いる国民がいてこそ、他国も支援をしてくれる。

以上の点を踏まえて日本は、即刻憲法の改正を真剣に論議しなければいけないと同時に、防衛費を増額し、核保有も含む、防衛体制の抜本的転換をはからなければ、日本の平和を守ることができないということが明らかとなりました。
その結果日本では国防を真剣に考える国民が増え、それまでのような平和憲法によって日本の平和は守られているとか、自衛隊違憲論とかの非現実的平和論は覆され、タブー視されていた核保有論議も盛んに行われるようになり、自衛隊違憲論を唱え、自衛隊解消を主張してきた共産党志位和夫委員長までもが、「日本有事の際は自衛隊を活用」という、自衛隊活用論を唱えるようになりました。
このように今回のロシアによるウクライナ侵攻は、日本で幅を利かせてきた護憲派の憲法9条による平和主義の矛盾が露呈し、日本の防衛問題を真剣に考え直す良い機会となりました。

2、国際連合の問題点

日本の問題も重要なのですが【Japan First 通信】では、今回有名無実であることが明らかとなった国際連合について、ここで改めて考えてみたいと思います。
国連の最も大きな問題の一つは、侵略を国是とするような国家、つまりロシアや中国が常任理事国となっていることです。この2国こそが、力による現状変更を企てる国である以上、拒否権を持っているこの2国に対しては、国連としては何の制裁も下すことができない、つまり侵略国家に対して国連は無力であり、国連の存在意義自体が失われてしまっているということなのです。

そもそも国連とは、第二次世界大戦を防げなかった国際連盟の反省を踏まえ、1945年10月に51か国の加盟国で設立されたものです。そのため国連の目的は、世界の平和及び安全を維持することにあり、平和に対する脅威の防止及び除去と、侵略行為の鎮圧のために、有効な集団的措置をとることにあります。
しかし国連は、第二次世界大戦における戦勝国である連合国側が中心となって設立されたものです。そのため国連設立当時から国連が想定する敵国とは、第二次大戦で連合国側の敵に回った日本、ドイツ、イタリア、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、フィンランドの7か国となっています。つまり連合国側こそが正義であり、連合国に戦いを挑んだ枢軸国側を悪と規定するところから出発したものでした。

しかし第二次世界大戦までの歴史を振り返ると、国連常任理事国の5か国は、世界を侵略し続けてきた侵略国家でした。
イギリス・フランスは、大航海時代を通じて世界中に植民地を獲得し、植民地の住民の大量虐殺を繰り返し、植民地を犠牲にすることで自国の繁栄を享受してきた侵略国家でした。
アメリカは、イギリス・フランスに遅れて植民地獲得に動き出したため、イギリス・フランスほどではありませんでしたが、アメリカ大陸の開拓が終わるとそのまま太平洋へと進出し、ハワイ諸島をはじめとする太平洋諸島を占領し、日本にまでその触手を伸ばしてきた侵略国家でした。
ロシアの起源はモスクワ大公国にあり、元々はモスクワ周辺地域のみを支配する普通の国家でした。それがモンゴルの支配から解放されて後、ロシア・ツァーリ国となってからは周辺国家を次々と侵略し、その国土を拡張することで世界最大の国土を誇る国家となりました。またロシアは寒さの厳しい北方に位置していたため、不凍港を求めて南下政策を取り、ヨーロッパ、中東、極東へと、常に周辺国への侵略を企ててきた侵略国家でした。
ロシアがソ連になるとその侵略性はさらに顕著となり、周辺諸国を力によってソ連に編入することでソ連邦を形成し、さらにその周辺諸国である東欧圏は、衛生国家としてソ連の影響圏に置いてしまいました。
国連が発足した当時の中華民国は、第二次大戦前後は侵略国家というよりは、列強によって侵略を受けてきた被侵略国家でしたが、歴史的に常に周辺諸国を侵略し続けてきた元・明・清の後継国家でした。
後に中華民国に代わり常任理事国となった中華人民共和国は、中国統一後すぐにその正体を現し、モンゴル、チベット、ウイグルをはじめとする周辺諸国への侵略をはじめ、今日に至るまで一貫して侵略を繰り返してきた侵略国家そのものです。
つまり国連とは、そんな侵略国家が第二次大戦に勝利することで自分達を正当化し、自分たち中心の世界秩序を構築しようとしたところから出発したものであり、始まりから決して正義の国家連合などではなかったのです。

今に至るまで国連の敵国条項に定められている7ヵ国の多くは、第二次大戦以降ソ連によって衛星国とされてしまい、中心的存在だった日本、ドイツ、イタリアは、第二次大戦後は平和を維持し、戦争に加わることもありませんでした。
一方共産主義を奉じたソ連、中国においては、その指導者であったスターリンや毛沢東は、第二次大戦以降自らの政権の基盤を盤石なものとするために、国内においては政敵たちを大規模に粛清し、周辺諸国へは次々と侵略を続け、それぞれ領土や影響圏の拡大を続けてきました。
しかしそんなソ連や中国に対しても、国連は何の非難もできずに、侵略行為をただただ黙認し続けてきたばかりです。
つまり国連は、今回その無力さを初めて露呈したわけではなく、国連が誕生して以来今日に至るまで、権威だけが付与されただけで、終始一貫何の力も持ち合わせていなかった、有名無実の国際機関だったということです。
その原因は何かと考えると、国際連合とは第二次大戦の戦勝国による、自分たちを中心とした世界秩序を構築しようとした、偽りの正義に基づいた国家連合だったためということです。
そんな国連が機能不全に陥り、有名無実化することは、極めて必然的な結果でしかないのではないでしょうか。

特に近年侵略国家中国は、国連等国際組織の弱点を突き、アジア・アフリカ等の弱小国家を経済力で買収することによって、数による多数派工作に成功し、中国に都合の良い偽りの国際世論を形成し、中国に利する政策を国際機関の名を使って各国に押し付けているのが現状です。
こうして中国の言いなりとなってしまった国際機関、有名無実の国際連合は、既に時代的使命を終えてしまっているのは明らかなのです。

では国連のような国際機関はもう必要ないのかと言えばそんなことはありません。アメリカがかつてのように世界の警察としての力を失ってしまった現在、今回のロシアによるウクライナ侵攻のような事態が起こった時、国連やアメリカに代わって、侵略国家に対して制裁を加えてくれる国際機関が必要であることも事実なのです。
そこでここでは、【Japan First 通信】が考える、理想の国際機関について述べてみたいと思います。

3、非侵略国家連合(NANUC:Non-Aggression Nations Union by Creaturism)

【Japan First 通信】が考える国際連合に変わる国際機関は、クリーチャリズム思想を基本理念とする、非侵略国家連合(NANUC:Non-Aggression Nations Union by Creaturism)です。
クリーチャリズム思想の基本は、地球・世界を人間一人の個体に例え、世界を構成する国家や民族、国民は、人体を構成する各臓器や細胞、微生物を表すというように捉えることです。つまり平和で豊かな世界を実現するためには、健康で健全な生活を営んでいる人間の生理機能に習って、世界の平和も維持していくという思想です。
つまりクリーチャリズム思想とは、健康的に生きるためという意味では、全体を優先とするグローバリズム的思想であると同時に、各臓器が滞りなくそれぞれの役割を果たすためという意味では、個を尊重するナショナリズム的思想となります。つまり全体を優先しつつも個を尊重する思想であり、個の尊重無くして全体の健康、つまり世界の平和はあり得ないとする思想です。

クリーチャリズム思想で考えた場合、人体を構成する各臓器や各細胞、微生物等は、それぞれ全てが人体にとって必要不可欠な、唯一無二の存在となります。つまり人間は五臓六腑からできていると言われますが、それぞれの臓器は人体の生命維持にとって必要不可欠な臓器であり、他の臓器では取って代わることのできない、唯一無二の存在と考えます。そんな唯一無二の価値を秘めた、それぞれの臓器の繊細な調和によって人体の生命は維持されるのであり、どの一つを失ったとしても人体は正常には機能しくなってしまいます。
それと同じように地球に存在する全ての国家全ての民族も、それぞれが地球を維持するためには、必要不可欠な存在であり、唯一無二を価値を秘めた、貴重な国家であり民族であると考えます。
現実的にはアメリカや中国のような超大国から、名も知られないような弱小国家に至るまで、世界には200ヶ国余りの国家が存在しますが、超大国であろうと弱小国家であろうと、地球という生命体を維持するためには、全ての国家が唯一無二の役割を担っており、どんな超大国であろうとも、他の国家の役割を代わって担うことなどできない、等しく重要な役割を担った国家であると考えます。
ですから全ての国家の歴史も、民族も、文化や伝統も尊重されなければいけないし、決してどんな国からも侵略されることがあってはいけないと考えます。つまり全ての国家は絶対不可侵であり、唯一無二の価値を持った、対等な国家であると考えるのです。

①侵略行為はガン細胞と同じ悪

人体に存在する全ての臓器、全ての細胞には、唯一無二の役割が存在し、どの一つを欠いても人体は正常には機能しなくなるといいましたが、本来人体には存在してはいけない細胞も現実には存在ていします。
一旦発生したら無秩序に増殖し、人体の様々な部位に転移しては、各臓器の機能まで破壊してしまい、最終的には人体を死に至らせるガン細胞は、健康な人体には存在してはいけない、健康の敵、人類の敵と考えられます。
つまりクリーチャリズム思想でいくと、ガン細胞と同じような性格を持つ共産主義思想こそがガン細胞そのものであり、人類の敵であると定義されます。
しかし共産主義思想以外でも、他国を侵略する侵略国家もまた、個を尊重しない、個を破壊するガン細胞と同じような人類の敵とみなします。
例えば心臓が胃を侵略し、胃の機能を奪い、心臓の為に胃を利用したとすると、心臓によって侵略された胃がその機能を失えば、食物を吸収することができなくなりますから、人体がエネルギーを補給できなくなり、生命の危険にさらされてしまいます。つまりいかなる侵略行為であったとしても、それはすなわち個の自殺行為となり、決して許されざる犯罪行為でしかないということなのです。
クリーチャリズムでは、それぞれの国家・民族は、すべて唯一無二の国家・民族であり、それぞれが他国には取って代わることが出来ない、唯一無二の役割を担っていると見做しますから、そんな唯一無二の役割を担う国家・民族に対する侵略行為は、地球自体を破壊する犯罪行為と見做されますから、侵略行為はどのようなものであったとしても、それは絶対的悪と考えます。
よって非侵略国家連合への加盟条件は、侵略行為を永遠に放棄するという盟約であり、かつて侵略によって手に入れた全ての領土の放棄を、侵略を放棄した証しとする、非侵略国家連合加盟のための最低条件とします。
そしてその最低条件を満たした非侵略国家同士が、NATOのように防衛力を強化し、集団自衛体制を整えることによって、侵略国家に対抗することで、世界の平和を実現するというものです。

②正義と悪

非侵略国家連合(NANUC)においては、正義と悪は明確です。侵略行為を永遠に放棄する国家を正義と考え、侵略行為を放棄しない国家を悪と考えます。
つまり非侵略国家連合とは、それぞれの国の伝統と文化、民族の独立性を尊重し、お互いがお互いを助け合うことこそが、自国の繁栄に繋がると考える、相互扶助の信義に基づいた国家連合体なのです。
21世紀となった現代、非侵略国家連合が実現した場合、非侵略国家連合の加盟国こそが正義であり、非侵略国家連合に加盟しない国家はすなわち侵略国家であり、悪であるという定義がなされるようになります。
非侵略国家連合の加盟を拒む国家は、暗に侵略を放棄しないと宣言することに等しいわけですから、自らが人類の敵であることを自称するようなものです。
そのような侵略を放棄しない国家とは、軍事的にはもちろん、経済的な交流も行ってはいけません。軍事的交流、経済的交流は、巡り巡って侵略国家に対する支援に繋がります。ガン細胞には栄養分を与えてはいけないように、人類の敵となる侵略国家に対しても、決して栄養は提供してはいけないのです。侵略行為を永久に放棄しない限り、一切の交流を断たなければいけないのです。
そのような意味では、非侵略国家連合は単なる軍事的同盟などではなく、経済活動をも含んだ、運命共同体とも言えます。つまり非侵略国家連合は、軍事経済両面に於ける、一つの連合国家ともいうことができるのかもしれません。

③非侵略国家連合(NANUC)への加盟条件

国連常任理事国をはじめとして、世界の大国はかつての侵略国家であり、世界中に植民地を有し、巨大な経済圏を持っていました。そんな大国で構成される国連に対抗する形で、非侵略国家連合を立ち上げようと思っても、簡単にできるはずはありません。
しかしそんな大国であったとしても、例えばアメリカのように、共和党と民主党に代表される大きな二つの流れがあるように、超大国も決して一枚岩ではありません。超大国にも侵略を肯定する勢力と、侵略を否定する勢力が存在しているのです。
非侵略国家連合は超大国の中に存在する、侵略を否定する、真の愛国者、真の平和主義者と連携することによって、その国の世論を動かし、侵略を永久に放棄する国とすることによって、非侵略国家連合への加盟を促します。
しかし非侵略国家連合への加盟は、侵略行為を永遠に放棄すると同時に、かつて侵略によって手に入れた領土についても、その問題を解決しなければいけません。
中国における新疆ウイグル問題やチベット問題のように、中国への編入に反対し、独立を目指す地域があっては、非侵略国家連合への加盟はできないのです。
例えばハワイのように、アメリカがかつて侵略し、無理やり編入した領土に対して、アメリカの一つの州のままでいるのがいいか、独立を選ぶのがいいか選択をハワイに委ね、ハワイが望む形で円満に問題を解決した場合、非侵略国家連合への加盟も可能とします。
そのように歴史的な領土問題をすべて解決してこそ、非侵略国家連合への加盟資格が与えられるのです。

ロシア・中国のような侵略国家に対抗するためには、今の非侵略国家が団結するしか世界の平和を守ることはできないのです。
そうなった場合、国の存続をかけて、悪の汚名を着てまでも孤立の道を選ぶのか、領土を返還し、侵略を放棄し、正義の仲間入りを果たすかの選択を迫られることになります。
そうやって一国、また一国と加盟国が増えていけば、必然的に非侵略国家連合の勢力が拡大し、世界の平和が実現されるようになるのではないでしょうか。
もちろん頭で考える程簡単なことではありませんし、今の国連が巨大な国際組織となっているため、それに代わる組織を作るなどということは、現実には不可能に近いのかもしれません。
しかし正しい理念をもって、世界中の人々に直接働き続ければ、世界中の人々が理念に共感し、侵略国家の国民の心をも動かし、侵略国家も侵略を放棄する日は必ず訪れるのではないでしょうか。
そのためにもまずは非侵略国家連合の理念を確立し、世界中に非侵略国家連合の精神を普及していかなければいけません。
そんな世界に先駆けるのにふさわしい国家こそが日本なのではないでしょうか。世界で唯一のニ千数百年の伝統を持つ国家、日本人の民度の高さ、平和を愛する奉仕精神こそが世界を変え、非侵略国家連合を実現する、核心的精神になるのではないでしょうか。

④非侵略国家連合における各国の責任

非侵略国家連合には、常任理事国のような特権を与えられた国家は必要ありません。今の国連のように、常任理事国が幅を利かせ、常任理事国の侵略行為も抑えることができなくなってしまうからです。
非侵略国家連合には常任理事国のような特権を有する国家は存在しないどころか、力のある国であればあるほど、大きな責任を担っていただかなくてはならなくなります。
力のある国とは具体的には、経済力と軍事力になります。経済力と軍事力が大きい国であればあるほど、非侵略国家連合の経済と安保に責任を持っていただかなくてはなりません。
そういった意味でも大国であればあるほど、真に正義に生きる国しか非侵略国家連合には加盟できないということにもなります。

非侵略国家連合における大国は、未だ発展途上にある国家に対しては、経済と軍事両面の支援を行わなくてはいけません。
クリーチャリズムにおいては、人体における血液はお金であり、経済と定義しています。血液を一ヵ所に留めておいたのでは、動脈瘤が生じ、いつかは破裂してしまい、命を失う危険性があるように、血液は一ヵ所に留めておくべきではなく、常に全体に滞りなく循環させるべきものなのです。全体に滞りなく循環させることによって、各臓器にも栄養が行き渡り、より健康的に、より強靭な肉体になることができるのです。
同じようにお金持ち国家、経済大国は、お金を独り占めにするのではなく、常にお金を全体に滞りなく循環させることを考えなければいけません。全体にお金を循環させることによって、発展途上国も経済的に豊かになり、国民生活にも余裕が生まれ、今度は他国を助ける立場に変わります。そうやって全体が豊かになることによって初めて自国も豊かになれるのであり、より豊かになることを望むのであればあるほど、惜しむことなく他国への経済支援を積極的に行うべきなのです。
こうして先進国が発展途上国に対して経済的支援を行うことによって、発展途上国の経済が豊かになり、発展することによって、発展途上国の国民の購買力も高まり、お互いWin-Winの関係が築かれるようになるのです。まさしく人体における血液の循環によって各臓器にも栄養が行き渡り、健康で頑強な身体が形成されるのと同じように、豊かで平和な世界が築かれるようになるのです。

⑤発展途上国に対する支援

発展途上国への支援の一つの理想的な形態は、第二次大戦前の日本による朝鮮や台湾の統治であり、満州国の運営の姿でした。
第二次大戦までの欧米による植民地支配は、現地の人々を犠牲にし、自国の繁栄のみを追求する、植民地の搾取の構造の上に成り立っていました。
しかし日本は朝鮮や台湾を統治する際、日本からの税金を投入し、現地の人々の教育水準を引き上げ、農業や林業を推進し、インフラを整備することによって近代化に努め、現地の人々の生活水準の向上に努めました。その結果朝鮮や台湾は短期間のうちに近代化を成し遂げ、旧態依然とした貧しい国から、豊かな近代国家へと生まれ変わりました。
また満州国では「和(日)・韓・満・蒙・漢(支)」の五民族が協調して暮らせる、五族協和と王道楽土を目標に掲げ、西洋の武による統治(覇道)ではなく、東洋の徳による統治(王道)でアジア的理想国家(楽土)を造るという標語が掲げられました。満州国は日本の傀儡国家との批判はあるものの、満州国の人々の教育水準は高く、インフラも整備され、五族が平等に暮らす、当時としてはかなり整備された近代的国家であったとの証言が多く残ります。

参考 【約80年前】満州に暮らす日本人たちの日常を捉えた貴重映像

日本が第二次大戦に負けることにより、日本の戦前の実績は全て隠滅され、侵略国家の汚名を着せられてしまいましたが、事実は人種平等の大東亜共栄圏を築こうとした、アジアの開放と、近代化に大きく貢献した国が日本だったのです。実際は日本の国力はそれほど大きくなかったため、解放したアジア諸国に対して、欧米と同じような搾取を行ってしまった国もありましたので、理想と現実にはかなりのギャップがあったのも事実でしたが、日本が直接統治した朝鮮と台湾においては、かなりの実績を残したことも事実です。
戦前の日本が理想だなどとは言いませんが、実際発展途上国に国費を投入し、発展に寄与した国が日本であったように、今後非侵略国家連合として、発展途上国への支援を行う際に、日本が先陣を切って支援を行うことで、他の先進国も競うように支援を行えるよう、日本には是非その模範となってもらいたいと願います。

三方良し
「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ。近江商人の心得をいったもの。

4、侵略国家

侵略の定義はいろいろ考えられますが、単なる軍事的侵略のみならず、経済的侵略、文化的侵略、移民問題などが考えられます。

①経済侵略

軍事的侵略はもちろん直接的な犯罪行為ではありますが、経済的侵略もまた同じような犯罪行為と考えられます。
分かり易い例で言えば、第二次大戦前までの西洋列強による植民地政策のようなものが考えられます。植民地の原住民を奴隷のごとくに扱い、家畜のごとくに強制労働を強いては、そこから生産される生産物を吸い取り、自国だけが利益を享受するような経済政策は、軍事的侵略に次ぐ悪と考えられます。

しかし現代は、第二次大戦前までのようなあからさまな経済侵略は行われず、もっと巧妙に経済的侵略が行われています。
例えば中国が主導して作られたAIIB「アジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank)」は、アジア向けの国際開発金融機関ですが、中国はAIIBを主導し、開発途上国に対し巨額の融資を行っています。
開発途上国は、AIIBを通じて融資された資金を基に、自国のインフラ整備を行いますが、その際インフラ整備用の資材は中国産のものを購入させられ、中国企業に工事を受注させ、労働力もまた大量の中国人労働者を使っているのが現状で、開発途上国の人たちの働き場が増えるわけではありません。結論としては、開発途上国のインフラの整備はされるけども、その国にはお金は落とされず、すべて中国がお金を吸い上げる構造になっているのです、
スリランカに対する中国からの融資の事例を見ると、中国による経済侵略はより巧妙になってます。スリランカはハンバントタ港を建設する際に中国からの融資を受けましたが、その返済が滞り返済不能となると、ハンバントタ港を99年間中国企業にリースする契約を結ばされてしまいました。このハンバントタ港をめぐる決定は中国による「債務の罠」の典型例と見なされており、戦争などを行わなくても、経済的弱小国家を実質的に占領する経済侵略そのものと言えます。
このようにして中国は軍事力を行使することなくして、インド洋の要衝スリランカに、中国が支配する港を持つことができ、いつ軍港となってもおかしくない状況となっています。
スリランカのハンバントタ港は、中国の経済侵略の典型と言えますが、同様の中国による経済侵略は、今まさしく世界中で行われているのが現状です。

②文化的侵略

侵略と言ってもより巧妙化しているのが中国による侵略です。中国の侵略は、中国周辺の弱い国に対しては軍事力でもって侵略し、強国に対しては開発途上国として経済的支援を受けながら自国の発展に利用し、時が来れば手のひらを返すような侵略が行われているのです。
中国の侵略の手口は、軍事的、または経済的侵略の次に来るのが文化的侵略です。新疆ウイグル、チベット、モンゴルなどで行われているのが、その地の文化・伝統・宗教を破壊する政策です。
チベットにおいては仏教を破壊するために寺院を破壊し、ダライラマに対する信仰を否定し、チベット文化を破壊しています。
モンゴルにおいてはモンゴル語を禁止し、モンゴル文化の破壊を行っています。
新疆ウイグルにおいては、宗教や文化はもちろんのこと、ウイグル人を根絶やしにすべく、断種政策を続けています。
このようにそれぞれの地域の民族の宗教や文化を破壊し、民族が寄り立つアイデンティティを破壊することで、支配地域の中国化が成されているのです。

③移民政策

中国によって占領された地域において行われているもう一つの重要な侵略政策が断種政策です。
モンゴルにおいても、チベットにおいても、新疆ウイグルにおいても、中国が占領したときはその地域には漢族は少なかったものが、中国政府の移民政策によって占領地域への漢族の移民が積極的に行われ、今ではどの地域もモンゴル人、チベット人、ウイグル人の人口比率は低くなり、時間と共に中国化が進んでいるのです。同時にモンゴル人、チベット人、ウイグル人の他地域への移民も積極的に行うことによって、それぞれの地域における原住民の断種政策が行われているのです。
中国における断種政策は移民に留まることなく、特にウイグルにおいては女性の避妊手術、漢族との結婚の奨励、再教育と称する強制収容所送りと、臓器売買によるウイグル人根絶やし政策等徹底した断種政策が行われています。
これらはもちろん戦争行為に匹敵する犯罪行為であり、決して許してはいけないジェノサイドそのものです。

中国における断種政策は極端な例ではありますが、移民政策自体が侵略行為となる場合が多いことも念頭に置かなければいけません。
【Japan First 通信】が考えるクリーチャリズムでは、人体の各臓器に相当する国家は、それぞれ唯一無二の役割を担った唯一無二の存在であると考えます。それぞれの臓器はそれぞれ独自の細胞と微生物からなり、その臓器特有の酵素とかホルモンが分泌され、それぞれの臓器が持つ特有の役割を果たせるようになっています。
それと同じように世界中に存在する国々も、それぞれ独自の民族によって構成され、独自の文化、独自の伝統を有し、それぞれの民族、伝統、文化は唯一無二のものであり、何よりも尊重されなければいけないと考えます。
そんなクリーチャリズム的発想で考えると、移民自体は否定されませんが、移民した人々は、移民先の歴史や伝統、文化を尊重し、自らもその民族の中に同化しなければいけないと考えます。つまり移民先において、以前からの伝統や文化、宗教を頑なに守るのではなく、移民先の伝統や文化、宗教を受け入れ、その中に完全に同化されなければいけないと考えるのです。
反対から考えると、移民先においても以前からの伝統や文化、宗教を頑なに固持し、移民先に新しい文化や宗教を根付かせようとする行為は、文化的侵略と見做します。
よって移民には、国籍を選択させると同時に、元々の移民先の伝統や文化、宗教を受け入れるという誓約をさせることが必要と考えます。つまり移民は、完全に移民先の国の国民として、同化するという大前提で行われるべきと考えます。

5、進化するクリーチャリズム、非侵略国家連合(NANUC)の理念

【Japan First 通信】が考える新しい国際組織、非侵略国家連合(NANUC)の全体像は以上のような形となります。
クリーチャリズム自体が完成した理念ではなく、今後作り上げていくべき方向性を示したに過ぎないのと同様に、クリーチャリズムを基本理念とする非侵略国家連合も、既に完成した理念などではなく、このような国際機関を創るべきという、方向性を示しただけにすぎません。
一言で言えば、全ては自然に学ぶことから始まるのであり、一つ一つの問題にぶつかるたびごとに、その解決法を自然に学んでいこうというものです。ですから一つ一つ新しい問題にぶつかるたびごとに、クリーチャリズム思想は進化するのであり、より完成に近づくものと考えていただきたいと思います。

今回【Japan First 通信】で提案したクリーチャリズムと非侵略国家連合(NANUC)によって、世界が新しい次元に入り、人類の恒久平和が訪れることに少しでも貢献できれば幸いです。

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