特番『伊藤貫先生登場!その2 ~冷戦後のアメリカ軍事外交政策の大失敗、今後の国際政治構造の変化~』ゲスト:国際政治アナリスト 伊藤貫氏
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1993年からクリントン政権は、対露政策で大失敗したんです。
当時のエリチンってすごく間抜けで、アメリカはロシアの経済改革を支援してくれて、ロシアが西側の自由主義国のグループに入れるように助けてくれるだろうと思ってしまったのです。
ところがクリントンが指名した財務長官のロバート・ルービンと副長官のローレンス・サマーズは、全くそんなこと思っていなかったのです。
ロシアは弱い立場に立たされた、今こそロシアを食い物にして、ロシアの自然資源、ロシアの国富を奪うチャンスだと考えた。
そういう意図をもってショックセラピーと言われる急速な民営化を押し付けたのです。
この急速な民営化っていうのはものすごい犯罪行為で、急速な民営化をやることによって、93年から98年までにロシアのGDPは半分になってしまったんです。
しかも1996年か97年にベレゾフスキーというロシアの金融業者がいて、そのベレゾフスキーは今のロシアを支配してるのはエリチン政権ではない。今のロシアは7人の金融業者が支配しているとオープンな場で言ってました。マスコミの前で今のロシアを支配してるのはエリチンじゃない、俺たち7人の金融業者が支配しているんだと言っていました。
しかもその7人のうちの6人は、イスラエルのパスポートを持つ人たちだったのです。
当時ロシアでイスラエルにすぐ移住する資格を持つ人たちは、人口の1%だったんですけれども、なぜか不思議なことに、7人の金融業者がロシアを支配してるとベレゾフスキーが言った時に、そのうち6人はイスラエルのパスポート持つ人だったんです。
それと同時に当時のロシアの金融市場、特に国際市場を牛耳ってたのは、ゴールドマンサックスなんです。
それでジョージソロスなんかも大儲けしてたわけです。
要するにアメリカ政府がエリチン政権に押し付けた、経済民主化という美名をつけたショックセラピー、急速な民営化は、ごく一部の人間だけが儲かる仕組みだったのです。
当時のロシアの自然資源ってすごかったんです。
石油にしても、金にしても、鉱山資源にしても、天然ガスにしてもものすごかったんです。
こういう巨大な国有資産を民間に売り渡したんですけれども、その民間に売り渡した価格が、その自然資源の資産の実質たった2~3%の価格で売り渡したんです。
表面的にはオープンビディングと言って、公開買い付けを行い、自然資源を買う競売をやってたように見えるんですけども、最初から誰が勝つかは決められてたんです。
しかもオリガルヒと呼ばれる自然資源を全部手にした連中は、実質的な資産価格の2~3%の名目価格で売り出されたものを、その2~3%の株を買うお金も銀行から借りればよかったんです。
銀行もほとんどの銀行は、イスラエルのパスポートを持ってる人たちにコントロールされてる状態でしたから、自分ではお金を持ってない連中でも自然資源を買えたんです。
急速な民営化の競売に参加した人たちというのは、巨大な何兆円、何十兆円もするような自然資源を、2~3%の価格で買い取って、しかもその2~3%の価格っていうのは、短期に銀行から借り入れた自分のお金じゃないんです。
だから全然お金持ってないベレゾフスキーとか、ロシア最大の石油成金になったホドルコフスキーとかは、元々全然お金を持っていなかったのが、コネを使って、短期的に銀行から借りて、形だけの公開買い付けを行って、2~3%のお金を払う約束をしただけで、巨大な資産を全部自分のものにしてしまったんです。
その一方ロシア人1人当たりの毎年の国民平均所得は半分になってしまった。
しかもあろうことかエリチン政権は、もうお金がないからという理由で、老人に対する年金と医療保険を廃止してしまったんです。
そうしたらどうなってしまったかと言うと、1987年にはロシア人男性の平均寿命は67歳だったんです。
ところがこのショックセラピーと経済改革、経済民主化を進めた結果、その9年後には57歳になってしまったんです。たった9年か10年で平均寿命が10歳も下がった。
平均的な男性の寿命が57歳ってこれ画期的です。
アフリカの最悪の国だって平均寿命は57歳なんてありません。
なんでかと言うと、ロシア人、特に男性は、餓死したり、病死したり、アル中になって死んだり、自殺したりで、何百万人も死亡したんです。だから平均寿命が10年間であっという間に10歳も縮んだんです。
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1999年の9月にフリッツ・エアマン氏というCIAのロシア担当の最高主席、ナンバーワンが、アメリカ政府はこんなに腐敗してると、アメリカの連邦会議で公開の証言をやってます。 22:45
少なく見ても30兆円、多く見れば60兆か70兆のお金がウォールストリートとアメリカの不動産業者に流れ込んでると。しかも彼はアメリカのマスコミも利益を得ていたと。それから民主・共和両党の政治家も利益を得ていたと。
急速なロシア資産の民営化で、もちろん大量の利益を得たのはイスラエルのパスポートを持つロシアの金融業者です。
当時クリントン政権の後半期に、世界で最大量のマネーロンダリングを行っていたのは、イスラエルであると言ってるんです。
そうするとロシアの巨大な自然資源を乗っ取って、一角千金で何十兆何百兆もの利益がイスラエルに持ち込まれて、イスラエルでマネーロンダリングしてアメリカに流れ込む。
クリントン政権とはこういうことやってたんです。
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