インボイス制度、他人事ではない増税、物価高のカラクリ

【討論】岸田隠れ増税内閣を暴く[桜R5/8/17]より 1:17:54~1:27:20

そもそもインボイスの説明をするには、消費税の仕組みを知らないと理解できないんです。
これ簡単な損益計算書のグラフなんですけども、その下に消費税の計算式を書いてます。
この上の計算式が消費税納税額を計算する計算式です。
課税売上の110分の10から、課税仕入の110を差し引いて、これで納税額を算出します。
これが消費税を納税するときの申告書の書き方なんです。
この上の式っていうのは、算数で110分の10はどっちにも掛けてるから、かっこで括れます。
上の式は括弧で括ると下の式になります。
そうすると課税売上-課税仕入に110分の10掛けてるのと同じです。
つまり上の式と下の式は同じです。

注目してもらいたいのがこのカッコの中、課税売上-課税仕入っていうのは何を意味するのかというと、この損益計算書のグラフを見てもらいたいんですが、課税売上から課税仕入を差し引いたものっていうのは、この利益+非課税仕入れと一緒になります。
利益+非課税と一緒になります。
つまり消費税っていうのは実は、利益+非課税仕入れに課税するのと同じ税金になるんです。本質はここなんです。
利益+非課税仕入。非課税仕入の本質は、ほとんどは人件費と考えてもらっていいので、消費税っていうのは企業に対して預かり金ではなくて、企業の利益と非課税仕入れに課税してる税金なんです。
つまり第二法人税なんだというのが消費税の本当の姿なんです。
だけど国民は消費税は預かり金だと、事業者の損益には関係ない税金だというふうに思い込まされてるので、この実態をほとんど理解してない。
ほとんど理解していないのでこのインボイス制度はどんな増税かということもわからない。

企業にとって消費税の納税ってものすごい大変なんです。
手続き的にもめちゃくちゃ面倒くさい。面倒くさいし、金額なんて5%の時に比べたら納税額も倍になってるわけです。
その分売り上げ上げられたかというと売上げ上げられません。売上げ上げられないんです。上げられないのに税金だけ増えるんです。
結局これで何が出てくるかというと、売値を上げられる会社もあります。
大企業とかブランド力があるところとか、競争力のあるところ。
そういうところは消費税上がったからごめんね、うち売値あげるわってできるわけです。
そうすると消費税が上がっても、納税に耐えられるだけの金が入ってくるから、自分の利益には関係ない。納税できる。
けれども値段を上げられない会社はいっぱいあります。
そういうところは消費税の税率が上がると、自分の利益を削って納税しなきゃいけない。
なので中小企業の体力の弱い企業にとっては、消費税率が上がれば上がるほどどんどん体力が奪われていく。
そういうとんでもない税金なわけです。

今度インボイス制度が入ると、この課税仕入れ非課税仕入れの区分が、こういう風に変わります。
インボイスの有る経費と、インボイスの無い経費に変わります。
さっきも言いましたけれども、消費税っていうのは利益+非課税仕入にかかるけれども、今度は利益+インボイスのない経費にかかるということになります。
法人税っていうのは利益の部分だけにかかるけれども、消費税っていうのは利益+インボイスのない経費にかかるということになります。
今までは免税事業者からの仕入れっていうのは、こっちの課税仕入れに入ってたから、消費税の課税対象じゃなかったわけです。発注者側から見たら。
でも今度インボイスが入ると、免税事業者への支出っていうのは、このインボイスのない経費というところに分類されるので、消費税の課税対象になります。
消費税の課税対象になるので、発注者としては免税事業者に仕事を発注したくないということになります。
なので免税事業者は取引から排除されるという恐れが多分に出てくるってことです。

よく一般に理解されてるのは、このインボイス制度っていうのは、今まで免税事業者が預かった消費税を、ただ単に払うだけだから、普通の人には全然影響ない、日本経済に悪影響なんかないもんだって思ってるんですけれども、とんでもない。

当然この免税事業者がインボイスを発行するためには、課税事業者にならなきゃいけないので、今まで納税しなくて済んだ消費税を納税しなきゃいけない。
その免税事業者が免税事業者のままでいると、そこに発注している事業者が、この消費税の増税分をかぶらなきゃいけないので、その分の損害がこの発注者側に出てくるんです。
発注者側がその損をかぶるのが嫌だったら、最終的には売値を上げて、消費者に負担をさせなくてはいけないということになります。

この典型的な例が電気代です。
インボイスが導入されると電気代が上がります。
これは大体普通の人は知らないんで驚かれるんですけども、電力会社は家庭の太陽光パネルなんかから買っている電気っていうのは、今までは課税仕入れにできたわけです。
課税仕入れにできたので、この利益+非課税仕入れというところの消費税の課税対象にはならなかった。
だけど家庭から買う電力っていうのは、インボイスなんかありませんので、今度はこの消費税の課税対象に入ってくる。そうすると電力会社はその分損をするので、電気代を上げさせてくださいって経産省に言って電気代をあげるわけです。
なのでインボイス制度っていうのが入ってくると物価が上がります。
ただでさえこの経済の状況が悪いのに、物価が上がるっていう影響が出てくるし、力の弱い人にこの消費税っていうのはしわ寄せが行くんです。
必ず力の弱い人のところにしわ寄せが行って、その人が負担をするっていう税なので、今までは免税事業者っていうのは税負担がなかったけれども、これからはインボイスを発効するためには、課税事業者にならなきゃいけない。

もうちょっと言うと、この消費税っていうのは何でエグいのかっていうと、企業にとって利益がなくても課税される税金だからです。
利益がゼロの場合は当然法人税がかかりません。
利益がゼロの場合は法人税かからないけども、消費税はこのインボイスのない経費がある以上課税されるんです。
なので利益がゼロでも納税しなきゃいけない。
それに加えて赤字でも納税しなきゃいけない。
赤字であってもこのインボイスのない経費の部分と、赤字の部分で、プラスが出る以上は消費税を納税しなきゃいけないということで、こんな税金ありえないじゃない。払えないです。払えないのが当たり前なんだけど、みんな国民は預り金だと思ってるから、この中小企業の消費税の納税の辛さというものが理解できないということです。

基本的にこういう幻想があります。
消費税に対して国民が抱いてる幻想、どういう幻想かというと、全ての取引は適正な経費原価があって、それに適正な利益が乗せられて、適正な売価が設定されるんです。
その適正な売価が設定された上に10%消費税が上乗せされて、それで売買されてる。これが普通の人が消費税に対して抱いてるイメージなんです。
でもこれはあくまでも幻想ファンタジーの世界なんです。
もしこれが成り立っているんだったら、赤字企業は存在しない。
低賃金労働者も存在しない。
でも今日本では赤字企業6割って言われてるじゃないですか。
赤字企業なのに適正な利益なんか乗せられていないのに、消費税なんか載せられてるはずないんです。
だけどみんなこのイメージで消費税を捉えてるから、消費税の滞納してるなんてお前とんでもないじゃないかという話になるんだけれども、元々適正な利益も乗っけられていない上に、適正な10%の消費税なんか載せられていないので、納税できないのが当たり前、だから消費税は滞納は多いんです。
これを財務省とかが正しく説明してればいいんだけど、国民に対しては嘘ばっかり教えてる。
この消費税っていうのは売値に載せられて、消費者が負担する税です。
事業者の損益には関係ない税金ですという風にずっと宣伝を30年にわたってしてるので、いわゆる有識者という人たちもそれを信じてしまってる。そういう状況です。

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