日本の産業の大ピンチ! EV推進の虚構

得する人中国
損する人日本、日本の製造業、日本の自動車産業、日本の雇用
問題点・日本は今「2050年カーボンニュートラル」に向けて舵を取っている。
 脱炭素政策の目玉は、EV車と再生エネルギー。
 カーボンニュートラル=脱炭素、内燃機関のガソリン車からEV車への変換。
・EV車のリチウムイオン電池に必要なコバルトもリチウムも、あと30~40年で枯渇するかもしれない。
・リチウムイオン電池は衝撃に弱く、充電中に発火の危険性が高く、燃えたら消火しにくい。
 EV車の地下駐車場での充電は危険。古いビル、タワーマンションなどでは燃えたら構造全体に影響があるかも。
・国内の乗用車400万台をすべて EV 化したら、原発がプラス10基必要。
・充電インフラのコストは、約14兆から37兆円は必要になる。
・自動車産業は、日本の経済の根幹。550万人の雇用、70兆円規模の総合産業。
 日本は世界一環境にやさしい、優れた内燃機関の技術を持っている。
 脱炭素政策は日本の自動車産業を破壊する政策。
・経済産業省・環境省は、テスラ等のEV車購入に補助金60万円。都からも60万円の補助金。
 富裕層の為に補助金を出し、日本車の販売を阻害し、日本車の販売にも影響を与えている。
・EV車に転換することで、中国製のバッテリーを使うことに。
 中国車の製造、中国人の雇用を作るだけ。
・エネルギー基本計画:38%を再生エネルギーで消費!
 再生エネルギーの中心、太陽光発電のパネルは、ほとんどが中国製。
 日本の政策は、国費を投じて日本を衰退させ、中国を支援するだけの政策。
・日本の産業用電力は今世界一高い。中国、韓国は日本の1/3。
 38%を再生エネルギーにすることは、賦課金がさらに増え、電力料金はさらに高額に。
 エネルギー基本計画は、日本の産業をつぶすための政策。
・カーボンニュートラルの時代は、消費電力量も増えるが、火力発電、原発の新設の予定はなし。
 2050年になったら、国民生活に必要な電力が不足し、深刻なカントリーリスクを招く可能性大。

日本の産業の大ペンチ!
EV 電気自動車推進の虚構とありますけれども、今現在地球温暖化防止、あるいはエコといった旗印のもとに、非常に巨大な産業構造の転換を迫る変化が、知らぬ間に進んでいるそうです。
今回は書籍『 EV 電気自動車推進の罠』の中で、専門家の方々と熟した議論を重ねてこられた加藤さんに、その問題点について徹底的に解説していただこうと存じます

菅前首相は施政方針演説で、「2050年カーボンニュートラル」を宣言されました。
2030年代半ばには、現在流通しているガソリン車の新車販売を、廃止するという方針が打ち出されたわけですが、昨年10月に菅前首相が所信表明演説で打ち出した政府の方針について検証していきたいと思います。

ご存知のように、自動車産業というのは、日本の経済の屋台骨を支えている、日本経済そのものと言ってもいいぐらいの、日本の経済の根幹です。
特に550万人の雇用を抱えていますし、金融から、組み立てから、部品から、販売からの総合産業ですから、70兆円の総合産業になります。総合産業の産業構造そのものを、すっ飛ばしてしまうかのような大きな変化に今迫られてるんです。
いろんなコメンテーターが、世界はEV化へ向かっているわけだから、EV化すればいいじゃないかと、安易に言ってしまっていますが、EV化は実際のところ、私たちの未来にどういう問題、禍根を残すことになるのかということについて、きちっと分析をして、日本から自動車産業がなくなったら、製造業がなくなったら、製造業に代わるような柱っていうのが今はないので、戦後一生懸命色んな産業を育成して、製造業に代わるものを育成しようという風に考えていたけれど、なかなか育っていないというのが現状なので、日本の製造業をこれからも守っていかないと、日本は未来に豊かな暮らしを維持することができないということです。

脱炭素政策の目玉っていうのは、 EV と再生エネルギーです。この両輪で政府はグリーン政策を推し進めるということになっています。
コップ26でイギリスのジョンソン首相が、2035年までに主要なマーケットでガソリン車を廃止して、2040年全世界で新車販売のガソリン車を廃止しようっていうことをぶち上げたんです。
それに対してすべての生産国、日本はもちろん、ドイツ、フランス、アメリカ、ロシア、インドも含めて、誰も主要国はサインしなかった。誰もできないと思っているんです。できないと思っているけど、EV推進って一応掲げてるということです。
日本の内燃機関にEUの自動車メーカーは勝てないということで、フォルクスワーゲンなんかも EV 化って言ってたんです。
実際ヨーロッパでもドイツもフランスもサインをしなければ、実はフォルクスワーゲンも労働組合がちょっと待てという形で、急進的に EV 化するのはちょっと待てよという形で、流れは必ずしも EV 一辺倒にはなってきていないということが見てとれます。

政府とマスコミの扇動
ガソリン車を無くす(脱炭素)
⇒CO2削減のために必要!
⇒EV化するしかない!

そもそも電気自動車というもの自体がそんなにエコなのかっていう疑問。
例えばリチウムイオン電池に必要な、コバルトとかニッケルとかリチウムというのは、特にコバルトというのはほとんど70%~80%はコンゴなんです。ここはチャイルドレイバー(児童労働)で非常に有名なところで、ほとんど中国が資源を握っているのです。
今コンゴのコバルトも、30~40年で枯渇するんじゃないかっていう資源問題もあります。非常に厳しい環境です。
リチウムはチリなんですけど、ここは資源戦争のようになってます。
ですから30~40年でコバルトもなくなるような環境の中で、EV 化と言っても、今後もリチウムイオン電池がそれだけの需要を満たすほどの原材料があるのかどうかっていうことにも、多くの疑問が残っています。
ですから電池の価格も下がることはないのです。

安全性の問題にも大きな課題があって、例えばこの前テスラの新型が運転手が中にいるまま発火して、消火に2時間半かかったそうです。
EVはものすごく危険で、そういう点ではいくつか事故があったために、今アメリカの運輸省でもいろいろな調査もされてますし、訴訟にもなっています。電解液が40度に達すると引火するっていうのがあるので、例えば衝撃にも弱いということもあって、ものすごく安全性の面でもまだ課題があって、中国でもyoutube で EV 車のバッテリーの炎上が出てきてます。
特にドイツの地方都市では、最近地方の条例で地下駐車場で EV車の駐車充電はできませんという禁止条例がいくつかの市町村で決まりました。
特に充電中に発火することが多いんですけども、もしも発火した場合には、なかなか燃え尽きにくい。
もちろんガソリン車でも発火することがあると思うんですけど、でもEV車は発火の率が高いのと、燃えたら消火しにくいので、建物の構造全体に影響があるということで、例えば丸の内の非常に古いビルの地下駐車場が燃えたらどうなるのかとか、タワーマンションが燃えたら構造全体に影響があるんじゃないのかとの問題があるんです。
例えばアメリカでは、例えばシボレーボルトの EV は、隣りに15m は離さないと駐車できないというふうに決まってます。

実は日本自動車工業会は、今年の9月9日の記者会見で、会長の豊田章男氏が欧州を中心とした、ヨーロッパを中心とした内燃機関車の禁止方針に対して、次のように述べたそうです。
「敵は炭素であり内燃機関ではない」
トヨタは EV 車もこれから生産していくことについて発表があるみたいです。トヨタの会長も、すべての方法で脱炭素を達成すればいいのであって、例えばバイオフューエル、イイフューエル、水素エンジンいろんなことに挑戦をされているんですけれど、EV一辺倒に対して反論した形ということで、特にトヨタは今までハイブリッドとかで、環境問題に関しては中心になって貢献をしてきたんです。そういういろんな自動車を開発しながら、ものすごく積極的に今までも環境問題に取り組んできたという経緯があるので、EV だけ、EVじゃなきゃいけないよと政治家が決めるんじゃなくて、メーカーとして全ての選択肢というのを広げることによって、日本で雇用も守っていきたいという思いがあります。

日本は特に、エンジンが設計できるという、世界でも数少ない国の一つです。例えばドイツ、アメリカ、日本、内燃機関で非常に優れた自動車、日本の内燃機関っていうのも、世界で唯一と言ってもいいくらい、絶対に勝てる心臓部なのです。
今世界は200ヶ国ほどありますけど、自動車のエンジンをきっちり作れる国と言うのは、数カ国なんです。日本というのは今から80年も前に、飛行機のエンジンをつくってた国ですからすごい国なんです。

中国は、偉大なる中華民族のため、世界の覇権を目標に掲げるなかで、中国製造2025っていうのをやって、自動車強国を作りたいというふうに考えています。
しかしなかなか日本のような素晴らしいエンジンやトランスミッション、内燃機関が中国ではできないんです。
そこで新エネ車に力を入れていこうというところが一番大きいわけです。

ちなみ豊田会長は他にも重要なことを発信されており、それをまとめてみました。
・国内の乗用車400万台をすべて EV 化したら、原発がプラス10基必要。
・充電インフラのコストは、約14兆から37兆円は必要になる。
・そして EV 化で雇用が失われてしまう。
・世界一の自動車業界のビジネスモデルが崩壊してしまう。
こういう警鐘をならされているということです。

よく EV は炭素を出さない、石油を使わないと言うんですが、実はこれ嘘で、EVは電気自動車ですけれど、電気は石油が作ってるんです。石油でないとしたら原発です。

もしも内燃機関から EV 車に替わったら、部品の数もぐっと減りますし、虎の子のエンジン、トランスミッションが、バッテリーとモーターになってしまうということで、それもメイドインチャイナの電池、メイドインチャイナのモーターになると、収益構造も変わる、雇用もなくなる、日本車の強みがなくなっていくっていう以上に、自動車産業で経済を賄っている日本にとっては、大変深刻な状態になっていくということです。
いかに自動車産業が日本経済を支えているかという点も見てみましょう。

これ日本全国にある、自動車組み立て部品工場などのマップ、自動車工業会が出してるマップなんですけど、実はこの周辺におびただしい数の何百何千という中小の協力会社があって、これらの組み立て工場が成り立っているので、まさしく日本の地方経済を自動車産業は支えているわけです。
この自動車産業にもしものことがあったら、地方経済そのものが吹っ飛んでしまう、日本経済がすっ飛んでしまうということなのです。

日本で経済産業省ならびに環境省などは、EV車を脱炭素で普及させるために、テスラ、ポルシェ、ベンツ、こういった高額所得者が道楽のために EV 車、外国車を購入するために、じゃぶじゃぶと補助金を出しているのです。国民の税金をです。
例えば今度の補正でも、テスラを買うと60万円国から補助金がくる。それからプラスアルファして都からも60万円くるんです。こんな風にジャブジャブお金を使って初めてテスラが売れていくんです。
富裕層のステイタスの為に補助金が出されているんです。
外国車に対してわざわざ補助金を出して、それによって日本で作る日本車から、例えばテスラを買ってみようかっていう流れになったら日本車が売れなくなり、雇用も失われてしまう。日本にとっての利益も失われてしまう。それだけじゃなくて日本の揮発油税、ガソリン税、地方税も含めて2.3兆円財源になっているそれもなくなっていく。にもかかわらず高額所得者への補助としてこういうものが出されている。

日本のエンジンの優れた技術は、現段階ですでに世界一環境に優しいんです。
世界一厳しい排ガス規制の日本とありますが、過去20年自動車全体のCO2排出量の推移とありますが、2001年に比べてアメリカ+9%、ドイツ+3%、オランダ+3%に比べ、フランスは-1%、イギリスが-9%、日本はなんと-23%なんです。
エンジニアたちが人生をかけて環境にやさしくて、安くて、非常に優れた性能のエンジンを開発したんです。
それにもかかわらず政府は外国車に補助金ジャブジャブ出してるんです。

日本の佐川急便が一括して中国の EV車を7200台入れたんです。それも一度も量産されたことのない工場で、日本人が設計したからいいだろうっていうのもあって入れたらしいんですけど、実績がないんです。
実績がないということは、一斉にリコールされる可能性もあるんです。
トヨタとかベンツなどでも、新車とかでリコールされることがしょっちゅうあるわけです。車にはつきものなんですが、一度も大量生産したことのない、実績のない中国の工場で作った7200台が、一斉にダメになる可能性はあります。
安価に抑えられるということで、110万~120万って書いてましたけど、ダイハツのミラは86万、リッターで25キロ走るわけですけど、それを考えても全然エコじゃないんです。

EV のバッテリーについて、世界のシェア比較というものも資料があるのでご覧いただきます。
EV バッテリーの世界シェアとありますが、中国 CATL 25%、次いで韓国のLG化学が23%、その次にパナソニックが19%。やっぱり中国・韓国勢が目立ちます。
中国に工場を出して EV を生産すると、中国のバッテリーを使うことを強要されます。

いよいよ中国に焦点を絞っていきますと、中国製造2025。中華民族の偉大なる復興のために準備された大キャンペーンと言いますか国家目標です。
中国のハイテク製品の70%はメイドインチャイナに!
やがて自動車強国となり、バッテリー覇権を狙う。
例えば中国ブランドの車はまだ国際競争力はないんです。
ですから部品で世界の覇権を握ってくっていう中で、新エネ車、 EV 車、バッテリーっていうのが一番手っ取り早いんです。
内燃機関から EV 車になると、EV 車のコストの3~4割がバッテリーなんです。
そこを握るということは自動車産業を握るということ。そういうことでバッテリー覇権を目指したんです。
中国国製造2025を達成するために行っているようなものです。
建国100年にあたる2049年までに、中華民族の偉大なる復興を成し遂げるための一つの里程標としての、中国製造2025です。

中国で作る車は中国製のバッテリーを使うことを強要。
それをわざわざ国費を投じて日本が支援してる。

ここまでの趨勢状況に関して小泉進次郎氏はこういうふうに発言されてます
「EV の話をするとよく雇用についての悲観論を耳にしますが、それは一面的な見方に過ぎません。
ビジネスモデルを変えれば、当然そこには新たな雇用が生まれる。これまでの雇用を失うことを恐れるあまり、既存のビジネスモデルを守ろうとするばかりでは、世界から取り残されてしまいます。」文藝春秋今年の4月号での発言だそうです。

例えば本田は、2040年までに EV に切り替えるということを発言されましたけど、結局 EV車をどこで製造するのっていうと中国なんです。ですから雇用を作るのは中国に雇用をつくのであって、日本の国内に雇用を作るという話ではないということを理解しなければいけません。

今日本全体の産業において、自動車産業がどれだけの割合を占めるかという確認です。
日本の輸出品トップ10の内訳とありますが、もう圧倒的に自動車がトップ。次いで半導体等電子部品、3番目も自動車部品になります。あと鉄鋼、原動機、半導体製造装置、プラスチック、科学光学機器、有機化合物、最後に電気回路機器となります。
いづれも脱炭素で影響を受けるものばかりなんです。
日本の自動車産業は10個ぐらいのメーカーがあるんです。
かつて通産省は日本の自動車産業をものすごい大事にしていたんです。昭和20年代から30年代にかけて、自動車産業を発展させるために、道路の整備を一生懸命にやってきました。
それを今の政治家は忘れてしまっている。

改めて日本の536兆円の GDP のうち、製造業は日本の基幹産業で、GDPの25%で輸出を牽引しています。自動車産業はその中で70兆円の総合産業であるということを強く認識しておきましょう。
しかし日本の基幹産業である自動車を含めたすべての産業が、政府の規制によってどんどん厳しい方向に向かいつつあるというのがこちらです。
エネルギー基本計画:38%を再生エネルギーで消費!

次のグラフ、こちら電力多消費産業向け電気料金の国際比較。
日本の産業用電力って今世界一高いんです。世界一です。中国韓国とどうやって競争していくというのでしょうか。
緑色のところはフィットの賦課金のところなんです。
フィットの賦課金ていうのは、我々は電気料金の中から太陽光などの賦課金を払っていますが、その賦課金です。
これを観ていただいてもだいたい1/3ぐらいなんです。例えば中国とか韓国とかは。ドイツは再エネのものすごく進んでいる国と言われていますから、左から2番目、これが本来の再エネなども入れた電気料金なんです。
この左と右を比べて何が違うかというと、ドイツも自国の産業を守るために、中国・韓国並みに電気料金を抑えるために、フィットの賦課金とか色々な減免をしてるんです。
ですから日本だけがその産業用電力には一切減免をしてないんです。
産業には電力と水と人件費、これは絶対的に必要な部分で、その電力がそもそも世界で一番高い中で、世界と競争しろというのが今の日本の政府の産業に対する対応なんです。
これでは日本の産業界はやっていけないんです。
これがさらに再エネが38%になると、フィットの部分が高くなるわけです。
そのなかで日本に、競争しろ、人件費を上げろっていうのは、電力がものすごく高くなっていく中で本当に厳しいんじゃないでしょうか。

電力料金の請求書、これはある製鐵所から頂いた1ヵ月分の請求書なんです。この製鐵所では8億円払っています。
東日本大震災の後、電力料金は約25%上がっています。それにまた25%フィット賦課金が増えて今は8億円です。
昼間は電気料金が高いから、この製鐵所では夜間操業をして、できる限りの節約をしても8億円なんです。
要するに25%は原発稼働しなくなったために上がり、25%はフィットの賦課金に当たっている。これがさらに38%を再エネにすることで上がっていくんですかと、それでやっていけるんですかということです。

さらに脱炭素ということで、二酸化炭素排出しているということで、一番攻撃の対象になっているのが、日本のモノづくりの素材を支えている製鉄・鉄鋼なんです。こういう重化学工業にフォーカスが当たってる。これは日本のモノづくりの原点でもあるんです。いい部品が作れるのも、良い自動車が作れるのも、いい鋼鈑ができるから、いい部材が提供できるからであって、そういう素材産業を直撃をすることになります。

今の政府は産業を潰していく方向に持っていっているのです。これで潰したら中国だけが得します。
太陽光パネルもメイドインチャイナ、リチウムイオン電池もメイドインチャイナ、脱炭素という中国支援策であるわけです。

これが非常に重要な資源エネルギー庁の2030年エネルギーミックス。経済成長を前提とする中での、大きな省エネ期待という、これは一番左のほうの表は、経産省が予測している2.3%毎年経済成長しますよという表です。GDPが今は536兆円なのが、2030年までだんだんと上がり660兆円までになりますよっていうグラフ。

右側のところ見ていただきますと、これは2030年には43%削減ということを前提に考えたのだろうと思われるんですけど、エネルギー消費、ならびにその一部である電力需要が、2030年に落ちてるんです。
これって非常に矛盾していることなんです。
普通経済成長をすれば、経済が活発になればエネルギー消費も上がり、電力もそれなりに上がっていく、電力需要も上がっていくというのが本来の姿なのに、成長はするだろう、だが消費は減るだろう、これは何を意味しているのかということを考えなきゃいけない。

例えば中国なんかは経済成長に必要な電力を、計画的に確保してるわけです。
日本は今、原発9基しか稼働してないけど、中国は今原発は48基で100基体制を目指してるんです。
本来ならば比例しなきゃいけないものが、経済成長をしてもエネルギー消費が減るということを、大きな産業構造の変化か、もしくはどっちかが整合性が合わなくて、どっちかがいい加減に出しているとしか思えないわけです。
絶対あり得ない訳で、ましてこれから EV 化しようかって言ったら、電化するわけですから電力が必要になってくる。
例えばデータセンターや、半導体を誘致しようということになっても電力がいるわけで、そういうなかで電力社会を想定しているにも関わらず、矛盾したグラフを出しているわけです。
矛盾してるデータっていうのは、総合的な設計がないからこういう矛盾したデータを作るか、政治におもねってああいう電力消費のグラフを作っていったとしか思えないんです。

2030年になると、ものすごく電力料金が高騰することが予測されるんです。最エネが38%になると、どんどん電力料金が上がっていきます。
本来なら世界中フィットなんかは減免して、安い電力で回しているところが、今日本は世界の3倍の電力でやってる、なおかつそれがさらに上がっていくということで、重工業は耐え切れなくなって、出て行く可能性が非常に高いです。
そうすると2030年に予測されるのは、電力料金がガッと高騰すること。それからもっと怖いのは、今の方向性からいって脱炭素ということで、原子力も新設はできない、日本は新設するのにだいたい30年かかるんです。それから火力発電所に関しては、1つの新設には8年かかるんです。今そういう新しい新設の計画がなくって、2030年になったらどんどんそれを換え配していくということになると、2050年になったら、我々の国民生活に必要な、安定的な電力が得られるのかが疑問なんです。どうやって産業を回していくのかという、深刻なカントリーリスクになるんじゃないかということを、ものすく心配しています。
どんどん原子力もなくなっていくわけです。火力もなくなって新しい新設の計画もない、その中で本当に日本の未来を守る意識があるのだろうか。

私は日本の製造業っていうのはまだまだやれると思っています。
例えば自動車工場なんかでも、月5億円ぐらいの電気代を払ってるんです。例えば電力料金が国際的な価格に横並びしたら、ものすごく勝てるわけです。
補助金ジャボジャボじゃなくてもいいから、日本の基幹産業をせめて国際価格並みの電気料金で彼らが製造できるようにすると、雇用も守れるし、賃金を上げることも出来るし、一番良い政策だと思うんです。
このまま行くと、日本が一番ODAだしているインドに、2040年にはGDPで抜かれます。
日本はどんどんODAで、海外産業インフラ作って、工場を作って、日本をどんどん貧しくさせているような感じです。
日本は4位どころか、7位、8位となって、韓国にも負けちゃうんじゃないかと私はすごく心配してます。

最後にこちらの地図をご覧いただきたいんですが、本田が内燃機関を辞めると宣言したときに、会社をたたんだという下請け工場の会社の社長さんから頂いたものです。彼が中国にいろんな自動車産業を育成するために行ってたときにもらった地図で、中華は大きな鶏であるということでこれを見せられて、日本は中華が食べるミミズであると言われたそうです。
朝鮮やベトナムは、中国の一部にされてますからまだマシなんでしょうか。朝鮮半島は嘴で、ベトナムは足で、後ろの羽のあたりはウィグルです。
それを日本人に向かって平気で言うわけです。
やはり日本がやらなきゃいけないのは、日本の産業を強くする殖産興業政策に立ち返ることは重要で、日本の企業を支援するという意味でも、国際競争力のあるような電気料金にするという、産業インフラに投資するとか、やれることはたくさんあると思います。
今どうしても日本は金融商品ばかりに気が向いていて、例えば日銀もグリーンに脱炭素という美名のもとに、いろんな金融商品を売る、その先は中国というのはあまりに悲しいじゃないですか。世界の二酸化炭素の3割を排出してる中国、人民解放軍の作るいろんな産業にお金が流れていく。
矢野事務次官の本を読んでも、文芸春秋に書かれているものを読ませていただいても、少子高齢化を理由に、経済成長がないということを前提に、議論をする官僚が多いわけです。
ただそれを言ってしまったら、明治は3300万人で近代国家の土台をつくったわけです。
今は1億2500万人いて、なおかつ財政力も全然違うわけです。
今が日本の未来を創る最高のタイミング、製造業をこれから強くすることによって、製造業に代わる産業が出来ていればいいけれど、日本語というものすごく特殊な言語で国際的に通用するのは、モノにして国境を越えるっていうのが一番日本人の魂をモノで体現するという、モノ造りというのは非常に優れたコミュニケーションツールで、それに日本は非常に長けているので、ぜひ製造業を強くするということを、もう1回考えていただきたいなと思います。

国家ビジョンを持ってないと、日本は民間の力が強いけど、いくら民間が強くても電気料金が他国の2倍とか3倍とか払ってたら、いかに民間が努力しても無理です。

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